自動車(普通車)の名義変更は自分でできる?必要な書類と手続きの流れを徹底解説!
自動車(普通車)の名義変更は自分でできる?必要な書類と手続きの流れを徹底解説!

「自動車の名義変更は、手続きが難しそう」「いつも業者に頼んでいるけど、できることなら自分でしてかかる費用を節約したい」
ご安心ください。普通自動車の名義変更(正式には移転登録)は、ご自身で十分対応可能です。正確な書類準備と手順を理解していれば、ディーラーや行政書士に依頼する費用を節約できます。
この記事では、個人間の売買や譲渡、家族間の名義変更など、ご自身で運輸支局(陸運局)に出向いて手続きを完了させるために必要な「全書類」「取得手順」「当日の流れ」を、初心者の方にもわかりやすいように徹底的に解説します。これから、「名義変更を自分でやってみようかな」とお考えの方に、少しでも参考にしていただけると幸いです。
目次
1|名義変更(移転登録)は自分でできる!そのメリットと注意点
普通自動車の名義変更は、新しく車を使用する方の住所を管轄する運輸支局で行います。
メリット:費用を大幅に抑えられる
行政書士などの代行業者に依頼した場合、書類作成や手続き代行の報酬として1万円程度かかります。ご自身で手続きを行えば、この代行費用が丸ごと不要になり、法定費用のみで済みます。
| 費用の種類 | 金額(目安) | 備考 |
| 移転登録手数料 | 500円 | 運輸支局で購入する印紙代 |
| 車庫証明書発行手数料 | 2,000円~3,000円程度 | 警察署での申請手数料 |
| ナンバープレート代 | 2,000円程度 | 管轄地域が変わり、ナンバープレートを変更する場合のみ |
| 法定書類の取得費用 | 数百円~千円 | 印鑑証明書や住民票などの発行手数料 |
| 合計目安 | 約5,000円〜6,500円程度 | ナンバー変更がない場合 |
注意点:平日の手続きと事前準備
費用を抑えられる反面、以下の点に注意が必要です。
- 手続きは平日の日中のみ:運輸支局の窓口は土日祝日は開いていません。平日(月~金)の受付時間内に、新旧所有者のどちらか、または代理人が出向く必要があります。
- 書類に不備があると再提出:特に印鑑証明書や車庫証明書には有効期限があり、不備があると一からやり直しになる可能性があります。
- ナンバー変更の際は車の持ち込みが必要:新所有者の住所が変わり、管轄する運輸支局が変わる場合は、新しいナンバープレートの封印手続きのため、手続き当日に車両を持ち込む必要があります。
2|必要な書類を徹底チェック(普通車・個人間売買/譲渡)

普通自動車の名義変更(移転登録)に必要な書類は、「旧所有者(譲渡人)」「新所有者(譲受人)」「当日運輸支局で入手」の3つに分けて整理できます。
特に印鑑証明書(3ヶ月以内)と車庫証明書(約1ヶ月)の有効期限には細心の注意を払いましょう。
1. 新所有者(譲受人)が準備するもの
| 書類名 | 詳細と注意点 | 入手場所 |
| 印鑑証明書 | 発行日から3ヶ月以内のもの。新所有者の実印が必要です。 | 市区町村役場 |
| 実印 | 印鑑証明書に登録されているもの。当日、申請書類への押印に使用します。 | 自宅 |
| 自動車保管場所証明書(車庫証明書) | 証明の日から約1ヶ月以内のもの。新所有者の使用の本拠地を管轄する警察署で申請します。取得に3〜7日程度かかるため、最初に準備を始めましょう。 | 管轄の警察署 |
| 委任状 | 新所有者本人が手続きに行かず、代理人(旧所有者を含む)に依頼する場合に必要。新所有者の実印を押印します。 | 運輸支局またはウェブサイト |
- 新所有者と新使用者が異なる場合:上記に加え、新使用者の住民票の写し(発行日から3ヶ月以内、マイナンバーの記載がないもの)などが必要になります。
2. 旧所有者(譲渡人)が準備するもの
| 書類名 | 詳細と注意点 | 入手場所 |
| 自動車検査証(車検証) | 有効期限内の原本。 | 車内など |
| 印鑑証明書 | 発行日から3ヶ月以内のもの。 | 市区町村役場 |
| 譲渡証明書 | 旧所有者の実印を押印したもの。車名、型式、車台番号などを記入。 | 運輸支局またはウェブサイト |
| 委任状 | 新所有者本人が手続きに行く場合でも、一般的に旧所有者の実印を押印したものが必要です。 | 運輸支局またはウェブサイト |
- 車検証の住所・氏名が異なる場合:車検証の記載事項が印鑑証明書と異なる場合(引っ越しや結婚など)は、住民票の写しや戸籍謄本など、変更のつながりを証明する書類が別途必要になります。
3. 運輸支局で当日作成・入手するもの
| 書類名 | 詳細と注意点 | 入手場所 |
| 移転登録申請書(OCRシート 第1号様式) | 名義変更の内容を記入する申請書です。新所有者の実印を押印します。 | 運輸支局 |
| 手数料納付書 | 移転登録手数料(500円)の印紙を貼り付けて提出します。 | 運輸支局 |
3|手続きの流れをステップごとに解説

名義変更の手続きは、以下の3つのステップで進めます。特に車庫証明書の取得が、全体のスケジュールの起点となります。
ステップ1:車庫証明の取得(手続き前に完了)
車庫証明書は、新所有者の住所を管轄する警察署で申請し、取得します。
- 必要書類の入手:警察署の窓口、または都道府県警のウェブサイトから申請書類一式を入手します。
- 警察署で申請:記入済みの書類と手数料(2,000円~3,000円)を提出します。
- 車庫証明書の受け取り:申請から通常3〜7日後、警察署で車庫証明書を受け取ります。
ステップ2:必要書類の収集・準備(手続き前に完了)
「必要な書類を徹底チェック」のリストに基づき、新旧所有者で連携してすべての書類を収集し、実印の押印を漏れなく行います。特に有効期限が切れていないかを入念に確認しましょう。
ステップ3:運輸支局での手続き(当日)
すべての書類が揃ったら、新所有者の住所を管轄する運輸支局へ車を持ち込み(ナンバー変更が必要な場合)、手続きを行います。
1. 窓口で当日書類の入手・記入
運輸支局の窓口で「申請書(OCRシート)」「手数料納付書」を入手し、見本を見ながら記入します。
2. 印紙の購入・貼付
敷地内の印紙販売窓口で500円分の登録印紙を購入し、手数料納付書に貼り付けます。
3. 書類の提出
事前に用意した書類一式と、当日記入した書類をまとめて窓口に提出します。この際、書類の不備を指摘されることがあるため、落ち着いて対応しましょう。
4. 新しい車検証の交付
不備なく受理されれば、新しい所有者名義の車検証が交付されます。記載内容を必ずチェックしましょう。
5. 自動車税の申告・納税
運輸支局に隣接する税事務所の窓口で、自動車税・環境性能割申告書を提出し、必要に応じて税金を納付します。
6. ナンバープレートの変更と封印(必要な場合のみ)
管轄地域が変わりナンバー変更が必要な場合は、以下の流れで進めます。
- 古いナンバープレートを返納窓口に返却します。
- 新しいナンバープレートを購入し、車に仮付けします。
- 車を封印場所に移動させ、職員に車台番号の確認をしてもらった後、リアナンバーに封印(アルミ製のキャップ)をしてもらいます。
これで、名義変更(移転登録)手続きはすべて完了です。
4|名義変更で失敗しないための最重要チェックポイント

スムーズに手続きを終えるために、特に注意すべき点をまとめました。
1. ローン残債(所有権留保)がないか確認する
車検証の「所有者」欄が旧所有者本人ではない(ディーラーや信販会社名になっている)場合は、ローンや残価設定クレジットが残っている状態です。この場合、名義変更の前に旧所有者がそれらの会社に連絡し、所有権解除の手続きを取ってもらう必要があります。
2. 自賠責保険と任意保険の手続きを忘れずに
車の名義変更が完了しても、保険の名義は自動で変わりません。
- 自賠責保険:保険会社または代理店に連絡し、名義変更を行います。
- 任意の自動車保険:速やかに保険会社に連絡し、車両入替の手続きをしてください。これを怠ると、万が一事故を起こした際に補償が受けられない重大なトラブルにつながります。家族間での譲渡の場合は、等級の引き継ぎが可能かどうかも確認しましょう。
3. 旧所有者の住所・氏名変更に対応する
旧所有者が引っ越しや結婚などで車検証の記載内容から住所や氏名が変わっている場合、印鑑証明書だけでは同一人物と証明できません。
- 住所変更が1回の場合:住民票の写し(発行から3ヶ月以内)が必要。
- 住所変更が複数回の場合:住所の履歴が載っている戸籍の附票などが必要。
- 氏名変更の場合:戸籍謄本などが必要。
これらの追加書類も事前に用意しておかないと、運輸支局で手続きが止まってしまいます。
5|まとめ:自分でやれば費用は抑えられる

普通自動車の名義変更は、「車庫証明の事前取得」と「有効期限内の書類を漏れなく揃えること」が成功の鍵です。
代行費用を節約するためにも、この徹底解説を活用し、計画的に準備を進めてみてください。書類が完璧に揃っていれば、手続き自体は1日で完了します。
また、自分で一度名義変更をできるようになれば、今後名義変更が必要になった場合でもスムーズに対応できます。「自分でやってみよう」とお考えの方は、是非チャレンジしてみてください。


