建築一式工事とは、定義と具体例や取得するために必要な国家資格について
建築一式工事とは

建設業許可の取得を考えているけど建築一式工事ってどんな工事?
建築一式工事とはどのような工事のことなのか、具体例や注意点を解説していきます。
建築一式工事の定義と具体例
建築一式工事の定義は、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事とされています。
企画、指導、調整をするので基本的には元請となる建設業者が取得するのが一般的です。
では、どんな工事のことを指すのでしょうか。具体例をあげますと
・戸建て住宅の新築工事
・共同住宅(マンション)の新築工事
・公共施設の新築工事(病院、学校等)
・商業施設の新築工事
・増改築工事
などがあります。
建築一式工事の取得要件(国家資格)
建築一式工事の許可を取得するにあたり、国家資格で専任技術者となる場合に必要な資格は下記の通りです。
一般建設業の場合
・一級建築施工管理技士
・二級建築施工管理技士
・一級建築士
・二級建築士
特定建設業の場合
・一級建築施工管理技士
・一級建築士
一般建設業許可では二級建築施工管理技士、二級建築士を持っていれば専任技術者となれるのに対し、特定建設業では一級建築施工管理技士、一級建築士を持っていなければ専任技術者となることができません。
また、一般建設業許可では国家資格を保有していなくても実務経験(指定学科+実務経験)で専任技術者となることができます。しかし、特定建設業許可では建築一式工事は指定建設業とされており、原則的に国家資格保有者しか専任技術者になることができません。(実務経験は×)
※一般建設業、特定建設業の違いについては別記事で解説していますのでそちらをご覧ください。
注意すべきポイント
建築一式工事の建設業許可を取得するにあたって注意すべきポイントがあります。
それは、「本当に建築一式工事で良いのか?」という問題です。
建築一式工事の許可を取得すれば「建築関係一式全ての工事が行える」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
それもそのはずです。文字通り解釈すればそうなりますよね。
ただ、建設業許可上では前述した通り「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」とされています。
つまり、元請(例:現場監督)の立場で必要な許可だということです。建築一式工事業のみでは専門工事を請負うことができません。実際に工事を請負うには、その専門工事業の許可が必要となります。(例:大工工事を実際に請負うには大工工事業)
よく勘違いされやすいポイントなので注意しましょう。