資格が無くても取れる?実務経験で建設業許可を取ろう!年数や証明方法も解説!

資格が無くても取れる?実務経験で建設業許可を取ろう!年数や証明方法も解説!

建設業で事業を拡大し、500万円以上の大きな工事を請け負うには「建設業許可」が不可欠です。しかし、「許可には特定の資格が必要」と思われがちで、資格がないために申請を諦めてしまう方も少なくありません。

実は、特定の資格がなくても、適切な実務経験を証明することで建設業許可は取得可能です。今回は、資格を持たない方が建設業許可を取得するために必要な実務経験の年数、その具体的な証明方法、そしてスムーズな申請に向けたポイントを詳しく解説します。

1:建設業許可取得の基本要件と実務経験の役割

建設業許可を取得するには、主に以下の要件を満たす必要があります。

  • 財産的基礎:一定の財産があること
  • 誠実性:請負契約に関して不正・不誠実な行為がないこと
  • 欠格要件:欠格要件に該当しないこと
  • 人的要件:経営業務の管理責任者の配置
  • 人的要件:専任技術者の配置

この中でも、多くの事業者がつまずきやすいのが「人的要件」です。一般的には、一級建築士や一級施工管理技士などの国家資格を持つ人物を配置することでこの要件を満たします。しかし、資格者がいない場合でも、長年の実務経験を証明することで、これらの要件をクリアできます。

実務経験で許可を取得する最大のメリットは、資格者を新たに雇用するコストや手間を省き、これまで培ってきたご自身の経験をそのまま活かせるということです。

2. 経営業務の管理責任者の必要年数と証明方法

経営業務の管理責任者は、建設業の経営全般を統括する役割を担います。特定の資格がなくても、以下の実務経験があれば要件を満たせます。

必要年数

  • 建設業に関して、5年以上の経営経験

ここでいう「経営業務の管理経験」とは、個人事業主として事業を運営していた期間、または法人で取締役などの役員を務めていた期間を指します。単なる従業員としての経験は認められません。

証明方法

経管の実務経験を証明するためには、以下の書類が中心となります。

  1. 個人事業主の場合
    • 確定申告書の控え:事業を行っていた期間を証明します。
    • 工事請負契約書・注文書・請求書など:実際に工事を行っていたこと、および経営者として事業を運営していたことを証明します。最低でも1年につき1件以上の書類が必要です。(自治体によって必要な期間は異なります。)
  2. 法人の場合
    • 履歴事項全部証明書:役員として在任していた期間を証明します。
    • 工事請負契約書・注文書など:個人事業主の場合と同様に、実績を証明します。

【ポイント】 複数の会社や個人事業主としての経験を合算して必要年数を満たすことも可能です。ただし、各期間の証明書類を漏れなく揃える必要があります。

3:専任技術者の必要年数と証明方法

専任技術者は、申請する建設工事に関する専門的な知識や技術を持つ者です。特定の資格がない場合、以下の実務経験で要件を満たします。

必要年数

  • 許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験

この実務経験は、実際にその工事に直接携わった期間を指します。例えば、「とび・土工工事業」の許可が欲しい場合は、とび・土工工事に10年以上従事した経験が必要です。

証明方法

専任技術者の実務経験を証明する書類は、経管以上に厳格な準備が求められます。

  1. 実務経験証明書:行政庁所定の様式に、工事内容、期間、金額などを記載します。
  2. 工事請負契約書・注文書・請求書など実務経験証明書に記載した工事と紐づく書類を、最低でも1年につき1件以上提出します。10年分で最低10件の書類が必要になります。
  3. 常勤性を証明する書類:実務経験を積んでいた期間、その事業所に常勤していたことを証明する書類(健康保険証の写し、雇用保険被保険者証など)が必要です。

【ポイント】 10年という長い期間の書類を揃えるのは非常に困難です。古い書類が手元にない場合は、当時の取引先に協力を依頼したりする方法もあります。

4:資格無しでの建設業許可申請を成功させるための注意点

  1. 書類の厳選と整理 実務経験を証明する書類は膨大になります。行政庁の担当者がスムーズに確認できるよう、書類を時系列に沿って整理し、工事内容をわかりやすく明記しておくことが重要です。
  2. 個人事業主から法人化した場合の注意 個人事業主としての実務経験と、法人化してからの経験を合算して証明する場合、それぞれの期間の証明資料を漏れなく準備する必要があります。
  3. 専門家への相談 実務経験での許可申請は、準備すべき書類が多岐にわたり、行政庁とのやり取りも複雑です。書類の不備で審査が遅延したり、不許可になったりするリスクを避けるためにも、建設業許可に精通した行政書士に依頼することを強くお勧めします。専門家は、個別のケースに応じた最適な証明方法を提案し、手続き全体をサポートしてくれます。

5:まとめ

建設業許可は、資格がなくても、長年の実務経験が証明できれば十分に取得可能です。経営業務の管理責任者としての5年の経験、そして専任技術者としての10年の経験を、客観的な書類で明確に証明することが鍵となります。

ご自身の経験は、事業の信頼性を高める貴重な財産です。日頃から契約書や請求書を大切に保管し、この記事で解説したポイントを参考に、ぜひ建設業許可の取得に挑戦し、さらなる事業の発展を目指していただけると幸いです。

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