鉄筋工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

鉄筋工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

建設業の一分野である鉄筋工事業について、その仕事内容や重要性を詳しくご存知でしょうか?この分野は、私たちが住む建物や社会の基盤を支える上で欠かせない役割を担っています。この記事では、鉄筋工事業の定義から具体的な工事内容、さらにこの分野で働く上で役立つ資格まで、網羅的に解説します。これから鉄筋工事業で建設業許可を取りたい、と思っている方の少しでもお役に立てれば幸いです。

1:鉄筋工事業の概要

鉄筋工事業とは、棒鋼等の鋼材を加工し、接合し又は組み立てる工事を専門とする建設業です。地震の多い日本では、建物が持つべき耐震性を確保するために、鉄筋とコンクリートを組み合わせた鉄筋コンクリート造(RC造) が広く採用されています。

鉄筋は、コンクリートの引張力(引っ張る力)に対する弱さを補強する役割を果たします。コンクリートは圧縮力(押しつぶす力)には強い反面、引張力には脆いため、鉄筋を網目状に組むことで、建物全体の強度と粘り強さを向上させます。この重要な作業を担うのが、鉄筋工事業です。

2:鉄筋工事業の該当する工事

では、どのような工事が鉄筋工事業に該当するのでしょうか。代表例としては

  • 鉄筋加工組み立て工事:建物の骨組みとなるコンクリートの強度を高めるため、設計図に基づいて鉄筋を切断・曲げ・現場で組み立て、結束する工事です。
  • 鉄筋接手工事:建物の骨組みとなる鉄筋の長さを確保するため、複数の鉄筋を接合する工事です。ガスで圧接し、接合させます。

この二つが挙げられます。

3:鉄筋工事業の具体的な工事内容

鉄筋工事業が手掛ける工事は、建物の種類や規模によって多岐にわたりますが、基本的な作業は共通しています。
鉄筋加工組み立て工事の一般的な流れを解説します。

1. 鉄筋の加工

工事現場に搬入された鉄筋は、そのまま使えるわけではありません。建物の設計図に合わせて、切断したり、曲げたりする加工が必要です。この作業は、専門の工場や現場で行われ、建物の強度を左右する重要な工程です。

2. 鉄筋の配筋(はいきん)

加工された鉄筋を、設計図通りに組み立てていく作業を配筋と呼びます。鉄筋同士を結束線で固定し、コンクリートを流し込むための骨組みを築きます。この際、鉄筋の配置間隔や重なり具合(定着長さ)が厳密に定められており、熟練の技術が必要となってきます。

3. コンクリート打設前の検査

配筋が完了すると、コンクリートを流し込む前に、設計図通りに鉄筋が組まれているかどうかの検査が行われます。この検査は、建物の安全性を保証するために非常に重要です。配筋の不備は、建物の強度不足やひび割れの原因となるため、熟練の職人による丁寧な作業と確認が求められます。

4. その他の作業

これらの主要な作業に加え、コンクリート打設後の鉄筋の位置ずれを防ぐためのスペーサーの設置や、コンクリートの表面から鉄筋までの距離(かぶり厚さ)の確保など、細部にわたる作業も鉄筋工事業の仕事です。

4:鉄筋工事業の許可取得に役立つ資格

鉄筋工事業を営むためには、建設業法に基づく建設業許可(鉄筋工事業) が必要です。この許可を取得するには、一定の要件を満たす必要があり、特に実務経験や技術者の資格が重要となります。

建設業許可の要件の一つである専任技術者(現営業所技術者)となるために、役立つ資格をご紹介します。
他の業種同様、もちろん資格が無くても実務経験で専任技術者となることも可能です。
専任技術者(現営業所技術者の要件について詳しく知りたい方はこちら

技能検定

鉄筋組立・鉄筋施工技能検定は、鉄筋工事に関する国家資格です。この資格には、一級と二級があり、実務経験と学科・実技試験を通じて、鉄筋工事の技能を証明します。

  • 鉄筋組立て・鉄筋施工

一級を保有している場合は、資格のみで専任技術者となれますが、二級のみ保有の場合は加えて3年の実務経験が必要となります。

施工管理技士

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士

建築施工管理技士は、工事現場の施工計画、工程管理、品質管理、安全管理など、現場全体のマネジメントを行うための国家資格です。

登録基幹技能者

  1. 登録PC基幹技能者
  2. 登録鉄筋基幹技能者
  3. 登録圧接基幹技能者

登録基幹技能者は、国土交通大臣が登録した機関が実施する講習を修了した、特定の専門分野における現場のリーダーであり、技術者と技能者の橋渡し役を担います。

5:まとめ

鉄筋工事業は、建築物やインフラの安全性を確保するために不可欠な専門工事です。この仕事は、建物の骨格となる鉄筋を正確に組み立てることで、コンクリートの強度を高め、地震などの災害に強い構造物を生み出します。

この分野で建設業許可を取得するためには、鉄筋技能士建築施工管理技士といった国家資格が非常に重要です。これらの資格は、専門的な知識と技術を証明し、専任技術者となる上で大きな強みとなります。

高齢化や老朽化が進む日本の社会において、建物の耐震化やインフラの維持管理は今後ますます重要性を増していきます。確かな技術力を持つ鉄筋工は、社会の安全と安心を支える上で欠かせない存在です。鉄筋工事業の建設業許可を取得して、事業をより拡大していきましょう。

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