【群馬県】キッチンカーを開くために必要な「自動車営業許可」について専門家が分かりやすく解説します!
【群馬県】キッチンカーを開くために必要な「自動車営業許可」について専門家が分かりやすく解説します!

群馬県で「自分だけの美味しいものを届けたい!」とキッチンカー開業を志す皆様。実現に向けて最初に取り組むべき、そして最も重要なステップが、食品衛生法に基づく「自動車営業許可」の取得です。
この許可なくして営業はできません。この記事では、キッチンカー開業を考えている皆様がスムーズに手続きを進められるよう、営業許可の概要から具体的なステップ、そして群馬県特有の注意点までを、専門家が分かりやすく徹底解説します。
これからキッチンカー開業を考えている方に、少しでも参考にしていただけると幸いです。
目次
1|自動車営業許可とは?なぜ必要なのか

1. 営業許可の定義と目的
キッチンカーで食品を調理・提供する場合、その行為は食品衛生法に基づき「食品の営業」と見なされます。この営業を行うために必要なのが、「自動車営業許可」です。
これは、通常の店舗(飲食店)の営業許可と同じく、公衆衛生の向上と食品による危害の発生を防止することを目的としています。簡単に言えば、「このキッチンカーは、安全な食品を提供するための基準を満たしていますよ」という行政のお墨付きです。
2. 許可が必要な理由(無許可営業の罰則)
無許可で営業を行うことは、食品衛生法違反となり、重い罰則が科せられます。
- 罰則: 2年以下の懲役、または200万円以下の罰金(食品衛生法 第82条)
安心した開業に向けた第一歩として、必ず正規の手続きを踏みましょう。
2|群馬県におけるキッチンカーの許可の種類と分類

群馬県内でキッチンカーを開業する際、まず知っておくべきは「何を、どこまで調理するか」によって、取得すべき許可や設備基準が変わるということです。
1. 営業許可の種類
群馬県で、キッチンカーの営業を行うには下記の許可が必要になります。
| 営業形態 | 内容と提供方法 | 必要な設備基準 |
| 食品の自動車営業 | 自動車で出店予定地に移動して食品を調理・提供する自動車営業 | 給水・排水タンクの容量大、調理・手洗い設備など |
ほとんどのキッチンカーは、この食品の自動車営業許可を取得すれば営業可能です。
2. 自動車営業と露店営業の違い
- 自動車営業(キッチンカー): 走行機能を持ち、車内で調理設備が完備されている車両。
- 露店営業(テント、簡易的な屋台): 自動車を用いず、一時的にテントなどを設営して営業する。
キッチンカーの場合は「自動車営業」の許可が必要です。
3|許可取得の鍵!車両の構造設備基準

群馬県の保健所が最も厳しくチェックするのが、車両の構造設備です。安全な食品提供のため、基準を確実に満たさなければなりません。
1. 必須となる設備基準のチェックリスト
特に重要なチェック項目は以下の通りです。
① 給水・排水タンク(容量が鍵)
- 最低でも給水40L・排水40L以上のタンク容量が必要です。
- 調理工程が多い場合や、シンクを複数設置する場合は、さらに大容量が求められます。
② シンク(二槽式が原則)
- 原則として、食器・器具の洗浄用と手洗い用の2つのシンクが必要です。
- 手洗いシンクには、液体石鹸と消毒液が設置されていることが必須です。
- 食器・器具洗浄用シンクは、十分な大きさが必要です。
③ 衛生的な構造
- 内装材: 床・壁・天井は清掃しやすく、耐水性のある材質を使用すること。
- 窓・換気: 虫の侵入を防ぐため、窓には網戸が必要です。調理中の臭気・熱気を排出する換気設備も必要です。
④ 冷蔵設備
- 食材を適切に保管できる能力のある冷蔵設備が必要です。
2. 営業区域の確認
【重要】
群馬県の「自動車営業許可」は、原則として群馬県内全域で有効です。
しかし、他県(例:栃木県、埼玉県)で営業する際は、別途、その県の保健所で営業許可を取得する必要があります。許可は都道府県(または政令指定都市・中核市)ごとに取得が必要です。
4|自動車営業許可取得までの具体的な流れ

許可取得は、キッチンカー製作と並行して進める必要があります。特に「事前相談」は車両製作前に必ず行ってください。
ステップ1:保健所への事前相談(重要)
- タイミング: 車両の設計図を作成する段階、または製作を始める前。
- 内容: 予定しているメニュー、営業形態、車両の設計図(平面図・立面図)、給排水タンクの容量などを携えて、管轄の保健所の食品衛生課に相談します。
- 目的: 設計図の段階で設備基準を満たしているか確認してもらい、手戻りを防ぎます。
ステップ2:キッチンカーの製作・購入
- 事前相談で得られたアドバイスに基づき、車両を製作します。
- 基準を満たさない設備は絶対に設置しないように注意します。
ステップ3:食品衛生責任者の設置
- キッチンカーには、必ず食品衛生責任者を1名置かなければなりません。
- 資格取得方法:
- 栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格がある方はそのまま資格者になれます。
- 資格がない方は、食品衛生責任者養成講習会を受講することで取得できます。
関連記事:食品衛生責任者の資格は講習で取れる!知っておきたい取得方法と費用
ステップ4:営業許可の申請
- 提出書類:
- 営業許可申請書
- 営業の大要
- 自動車の構造・設備を示す図面
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの(終了証とプレート)
- 検便検査結果の写し
- 自動車検査証(車検証)
- 申請手数料(群馬県の場合、16,000円)
- タイミング: 営業開始予定日の10日以上前に提出するのが目安です。
その他、法人の場合は「登記事項証明書」が必要であったり、水道水以外の水を使用する場合は「水質検査成績書」が累加で必要になります。
ステップ5:施設検査(車両のチェック)
- 保健所の担当者が、完成したキッチンカーを直接チェックします。
- チェック内容:
- 図面通りに車両が完成しているか
- 給排水タンクの容量、シンクの数、衛生的な構造が基準を満たしているか
- 冷蔵庫の能力、手洗い設備の石鹸・消毒液が備わっているか
- 不適合の場合: 改善が必要となり、再検査になります。
ステップ6:営業許可書の交付
- 施設検査に合格すると、保健所窓口にて「営業許可書」が交付されます。
- この許可書が手元に届いて、初めて合法的に営業を開始できます。
5|群馬県で成功するための注意点と+α

1. 仕込み場所の確保
キッチンカー内ですべての調理工程(仕込み)を行うことは、スペースや衛生上の制約から困難です。
保健所にもよりますが、車外に「仕込み場所」の確保を強く求められます。
- 理想的な仕込み場所:
- 自宅などの既存の飲食店営業許可を取得した施設(例:実家の飲食店、知人の許可付き店舗)
- 新たに営業許可を取得した製造施設
- シェアキッチンやセントラルキッチンの利用も有効です。
仕込み場所がない場合は、調理工程が簡単なメニューに限定される可能性があるため、必ず事前に保健所と相談してください。
2. 営業許可の有効期間と更新
- 群馬県の営業許可の有効期間は、一般的に5年~8年です(施設の耐久性などによって決まります)。
- 有効期限の前に、再度保健所に申請し、更新のための検査を受けなければなりません。
3. 移動販売の「場所」の許可(道路使用許可など)
自動車営業許可は「車」に対する許可であり、「場所」に対する許可ではありません。
公道や公園、イベントスペースなどで営業を行うには、別途場所の管理者や警察署(道路使用許可)の許可が必要です。キッチンカーの成功は「場所の確保」にかかっていると言っても過言ではありません。
6|まとめ:夢のキッチンカー開業へ!

群馬県でキッチンカーを開業するための「自動車営業許可」は、複雑に感じるかもしれませんが、「事前相談」と「構造設備基準の遵守」の2点を徹底すれば、決して難しいものではありません。
| 開業成功への3つの鍵 | 詳細 |
| 事前相談 | 車両製作前に必ず保健所に相談し、手戻りを防ぐ。 |
| 基準の遵守 | 給排水タンク容量、二槽シンク、手洗い設備などの基準を厳守する。 |
| 仕込み場所 | 営業許可とは別に、仕込みを行う場所(許可施設)を確保する。 |
群馬県内の管轄保健所は、各市町村によって異なります。まずはご自身の活動拠点となる場所を管轄する保健所に連絡を取ることから始めましょう。
また、弊所ではこれからキッチンカーの開業をお考えの方に向けた「営業許可申請代行サービス」を行っております。
相談は無料で行っておりますので、申請に不安であったり、本業が忙しくて申請する時間が無いといった方は是非お気軽にご相談ください。
弊所のご紹介
弊所は各種許認可に特化した行政書士事務所です。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。



