ガソリンが最近安くなった!なぜ? 暫定税率廃止との関連性を徹底解説
ガソリンが最近安くなった!なぜ? 暫定税率廃止との関連性を徹底解説

給油に行ったら「あれ?少し安くなっているぞ?」
最近、ガソリン価格の下落を実感し、そう思われた方も多いのではないでしょうか。ニュースでは「2025年12月末に暫定税率が廃止されて安くなる」と聞いているのに、まだ年末まで時間があるのになぜ価格が下がり始めているのでしょうか?
この「フライング値下がり」の背景には、政府が講じた非常に緻密な価格安定策、すなわち「補助金(激変緩和措置)の段階的引き上げ」が関係しています。
この記事では、ガソリン価格が年末を待たずに安くなり始めた理由を、2025年12月末の暫定税率廃止という大きなイベントと関連付けながら、分かりやすく、かつ詳細に解説していきます。参考にしていただけると幸いです。
目次
1|ユーザーが抱く疑問:「なぜ年末を待たずに安くなっているの?」

ガソリン価格に関する議論で、最も多くの人が抱く疑問は以下の点に集約されます。
- 疑問① 暫定税率廃止で安くなるのは知っている。でも、まだ廃止日(12月31日)じゃないのに、なぜ価格が下がり始めたの?
- 疑問② このまま年末まで下がり続けるの? 暫定税率が廃止されたら、またガソリンスタンドは大行列になるの?
- 疑問③ 補助金と暫定税率廃止(減税)は、結局どういう関係にあるの?
結論から言えば、この最近の値下がりは、暫定税率廃止による減税効果(25.1円/L)を、政府が「補助金」を使って先行して価格に反映させているからです。これは、価格の急激な変動を防ぐための、極めて戦略的な措置なのです。
2|暫定税率廃止に向けた政府の戦略:補助金が「つなぎ」の役割
2025年12月31日に、いわゆる「ガソリンの暫定税率」(25.1円/L)が廃止されます。これは、ガソリンにかかる税金がその分だけ減ることを意味しますから、理論上、小売価格は25.1円下がるはずです。
しかし、もし政府が何も対策を講じなければ、以下の問題が発生します。
- 廃止直前の買い控え: 12月に入ると、消費者が「年末に安くなるから」と給油を控えるようになり、ガソリンスタンドの経営が圧迫されます。
- 廃止直後の大混乱: 1月1日になった途端、ガソリンスタンドに給油待ちの車が殺到し、社会的な大混乱を招く可能性があります。
そこで政府は、この問題を防ぎ、円滑に「減税社会」へ移行するために、「燃料油価格定額引き下げ措置(激変緩和補助金)」を戦略的に利用しました。
1. 補助金が段階的に引き上げられる仕組み
この措置は、暫定税率廃止が迫る数ヶ月前から、補助金の上限額を段階的に引き上げ、小売価格を徐々に引き下げていくというものです。
| 期間(例) | 補助金の上限額 | 市場への影響 | 暫定税率廃止との関係 |
| 数ヶ月前 | 低水準 | 市場価格の急騰抑制 | 価格安定に貢献 |
| 11月上旬 | 5円増額(例) | 価格が5円程度下がり始める | 減税効果を先取りし始める |
| 11月下旬 | さらに5円増額(例) | さらなる価格下落が起こる | 減税効果をさらに先取り |
| 12月11日頃 | 25.1円に到達予定 | 補助金だけで25.1円分が価格に反映 | 減税額と補助金がほぼ同水準に |
このように、価格が安くなっているのは、年末の「減税」を待つのではなく、その減税額に相当する補助金を「前倒し」で増額しているからなのです。ユーザーにとっては、実質的な価格引き下げが早く始まったことになり、大きなメリットとなります。
3|2025年12月末の「相殺の瞬間」を解説

では、2025年12月31日に暫定税率が廃止されたとき、価格はどうなるのでしょうか?
この瞬間が、政府の戦略の最も重要なポイントであり、ガソリン価格が大きく変動しないように設計されています。
1. 廃止当日、価格は急落しない
先述の通り、12月31日を迎える前の段階(例:12月11日頃)で、補助金はすでに25.1円/L、つまり暫定税率の減税分と同じ水準に達していると想定されます。この補助金によって、小売価格はすでに25.1円分安くなっている状態です。
そして、年末年始に以下の2つの出来事が同時に起こります。
- 暫定税率廃止(減税): ガソリン税が25.1円/L安くなる(価格を下げる要因)。
- 補助金終了: 価格を抑えていた25.1円/Lの補助金がなくなる(価格を上げる要因)。
この「価格を下げる要因」と「価格を上げる要因」が、同水準で相殺(オフセット)されるのです。
価格の変動= 暫定税率廃止による減税(-25.1円)+補助金終了による値上がり(+25.1円)
したがって、暫定税率が廃止された瞬間、ガソリン価格は理論上、大幅な変動を起こさないように設計されているのです。
2. 混乱の回避と安定的な移行
この相殺の仕組みのおかげで、消費者は「年末だから給油を控える」「年明けに殺到する」といった行動に出る必要がなくなります。
- 12月の消費者: すでに補助金で安くなっているため、慌てて給油する必要がない。
- 1月の消費者: 廃止によっても価格が急落しないため、大行列を作る必要がない。
これが、政府が目指した「減税への安定的な移行」の全体像です。
4|暫定税率と本則税率:ガソリン税の基本構造を理解する

ここで改めて、ガソリンにかかる税金、「ガソリン税」の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
ガソリン税は、以下の2つの要素で構成されています。
- 本則税率(基礎となる税金)揮発油税+地方揮発油税: 28.7円/L
- 暫定税率(上乗せされていた税金): 25.1円/L
| 項目 | 税額 | 備考 |
| 揮発油税(本則税率) | 28.7円/L | 恒久的な税率 |
| 揮発油税(暫定税率) | 25.1円/L | 2025年12月末に廃止される部分 |
| 合計(現行のガソリン税) | 53.8円/L | 暫定税率廃止後は28.7円/Lになる |
そして、この合計額にさらに消費税10%がかけられています。
これが現在のガソリン価格の仕組みです。
5|今後の見通しとユーザーへのアドバイス

最近の価格下落は、補助金の段階的な引き上げによるものであり、価格が徐々に減税後の水準に近づいている過程であると理解できます。
1. 価格はどこまで下がる?
補助金が25.1円に達する12月上旬までは、下落傾向が続くと予想されます。その後の価格は、主に以下の2つの外部要因に大きく左右されることになります。
- 原油価格: サウジアラビアなどの産油国の動向や国際的な需給バランスによって決まります。
- 為替レート: ガソリンの元となる原油はドル建てで取引されるため、円安が進むと、輸入コストが上がり価格上昇の圧力となります。
補助金と税制による国内要因は「相殺」で安定しても、これら国際的な要因が価格を変動させる可能性は常に存在します。
2. 軽油・灯油はどうなる?
今回の暫定税率廃止には、軽油(17.1円/L)や灯油、重油も含まれます。
ただし、軽油の暫定税率廃止は、地方自治体の財政への影響を考慮し、2026年4月1日にずれ込む予定です。このため、軽油についても、2026年4月に向けて補助金が段階的に拡充されていくことになります。
3. 賢く給油するための結論
年末まで待つ必要はありません。すでに補助金によって減税効果が先行して反映され始めているため、「いつ給油しても、概ね減税後の恩恵を受けられる」という状況になりつつあります。
最も賢い行動は、原油価格や為替レートの変動に注意しつつ、燃料が減ったら慌てずに満タンにするという平常運転を続けることです。これが、政府が意図した「安定的な移行」に乗る最も確実でストレスのない方法と言えるでしょう。
6|まとめ:現在の値下がりは「未来の減税」の前倒し

ガソリンが最近安くなったのは、暫定税率廃止という未来の減税(25.1円/L)を、補助金という手段で段階的に前倒ししているからです。
この仕組みにより、年末の価格の激変や大混乱を防ぎながら、私たちはすでに減税の恩恵を受け始めているのです。安心して、日々の給油を続けてください。
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