【2026年法改正】補助金の申請代行に起こる大きな変化!依頼する側が今後気を付けるポイント

【2026年法改正】補助金の申請代行に起こる大きな変化!依頼する側が今後気を付けるポイント

日本の多くの中小企業や個人事業主にとって、補助金や給付金は事業を成長させるための重要な資金源です。その申請手続きをサポートする補助金申請代行サービスは、これまで、中小企業診断士コンサルティング会社税理士など、多様な専門家によって提供されてきました。

しかし、この業務の中核である「申請書類の作成」や「行政機関への提出代行」は、行政書士法との関係「グレーゾーン」とされてきた部分がありました。

この曖昧な状況は、2026年1月1日より施行される行政書士法の一部改正によって大きく変わります。

新制度では、補助金や給付金の申請書類の作成、および行政機関への提出手続きの代行が、行政書士の独占業務として、明確に位置づけられることになります。これにより、従来の「グレーゾーン」は消滅し、無資格者がこれらの業務を業として行うことは罰則の対象となる可能性が非常に高くなります。

今回の法改正は、依頼者である中小企業・個人事業主に対しても、誰にどのような範囲でサポートを依頼すべきか、コンプライアンス(法令遵守)を意識した選択を迫る、極めて大きな転換点ともいえるでしょう。

この記事では、今回改正される「行政書士法とはそもそもどんな法律なのか?」から「依頼する側が今後気を付けるポイント」を分かりやすく解説します。ご参考にしていただけると幸いです。

090-9451-9906(担当:茂木)

1|2026年1月1日施行!そもそも行政書士法ってどんな法律?

今までは、中小企業診断士やコンサル会社が行っていた補助金申請の代行が、一体なぜこのタイミングで行政書士の独占業務となるのでしょうか。正確に言うと、法改正によって独占業務となるわけではありません。今までも独占業務とされてはいましたが、今回の法改正によってより明確になるといったイメージです。
では、その根拠となる「行政書士法」について、分かりやすく解説します。

行政書士法の概要と目的

行政書士法は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることで、国民の権利利益の保護に資することを目的とした法律です。簡単に一言で表すと「行政書士としてのルールが書かれた法律」です。

行政書士の主な独占業務は、官公署(国や地方公共団体)に提出する書類の作成と、その書類作成に伴う手続きの代理(代行)です。補助金や給付金の申請書類も、国や自治体といった行政機関に対して提出する書類であるため、この独占業務の範囲に含まれます。

行政手続きに関する書類作成が、高度な法令知識正確性を求められ、国民が行政に接する上で不利益を被らないよう、国家資格を持つ専門家に限定する必要があるという考え方から、行政書士の独占業務が法律で定められています。
※独占業務とは、その者しか行ってはいけないとされている業務のことです。今回の場合「行政書士しか行ってはいけないとされている業務」のことです。

法改正で明確になる独占業務

今回の法改正により、行政書士の独占業務として、補助金や給付金の申請書類の作成及び提出代行が明確に位置づけられます。これにより、無資格者が業として、報酬を得てこれらの行為を行うことは、行政書士法に違反することになります。

業務の種別改正後の扱い専門家の役割
申請書類の作成行政書士の独占業務法律に基づいた正確な形式・内容での書類作成
提出手続きの代行行政書士の独占業務電子申請システム等での代理、行政庁への提出
事業計画の助言・策定支援無資格者も可能経営戦略、財務分析に基づく事業計画のコンサルティング
申請要件・制度の相談無資格者も可能制度の一般的な解説、自社に合う補助金の提案

2|独占業務に抵触しない「コンサルティング」の範囲

法改正は「補助金申請のサポート業務」すべてを禁止するものではありません。特に、助言や相談、経営コンサルティングの範囲内であれば、これまで通り、中小企業診断士やコンサルタント専門性を活かして提供することが可能です。

独占業務に抵触しない業務の具体例

  1. 事業計画の策定コンサルティング:補助金採択の核となる事業計画の市場分析、財務シミュレーション、目標設定など、経営コンサルティングの範囲である助言業務。
  2. 申請に関する一般的な助言・相談公募要領の解説、採択の可能性を高めるための方向性に関するアドバイス申請者自身が書類を作成する上でのサポート
  3. 採択後の実行支援・フォローアップ:実績報告に関する助言や、事業を成功させるための経営指導

<重要視されるポイント>

あくまで「申請者自身の判断と責任に基づく書類作成のための支援」(アドバイス)に留まる業務であり、「申請者の代わりに書類を作成または行政機関に提出する行為」(代行)に踏み込まないことが重要です。

3|依頼する側が取るべき【3つの重要対策】と最適な依頼方法

2026年1月1日以降、補助金申請のサポートを依頼する中小企業は、以下の3つの点について、明確な対策を講じることが必須となります。

対策1:最も安全で効率的なのは「ワンストップ依頼」

コンプライアンス(法令遵守)を完全にクリアし、かつ手続きの煩雑さを避ける最も安全で効率的な依頼方法は、補助金申請書類の作成から提出代行、そして経営計画の助言までを一気通貫で対応できる専門家に依頼することです。

具体的には、以下のいずれかの専門家に依頼することがベストです。

  1. 補助金申請に強い行政書士事務所(法人):書類作成のプロであり、補助金に関するコンサルティング実績も豊富な事務所に依頼することで、合法的な手続きと質の高い事業計画書作成支援の両方が期待できます。
  2. 行政書士登録をしている他士業事務所行政書士登録を持つ税理士事務所や、中小企業診断士事務所など、行政書士登録も行っている他の専門家です。それぞれの専門分野(財務・経営・法務)を活かしつつ、書類作成も合法的にワンストップで完結できます。

依頼時には必ず、各都道府県行政書士会のウェブサイトで登録情報を確認するなど、資格の有無を明確に確認してください。

090-9451-9906(担当:茂木)

対策2:無資格者への書類作成・提出代行依頼は厳禁

依頼を検討している専門家が行政書士資格を持たない場合(中小企業診断士や一般のコンサルタントなど)、「申請書類を作成してほしい」「電子申請を代理で行ってほしい」といった独占業務にあたる依頼は絶対に避けてください。

これらの依頼は、無資格者による違法行為を助長することになり、依頼者自身が罰則を受けることはなくても、以下の重大なリスクを負うことになります。

  • 申請書類の不備・審査不公平性の問題:違法な代行業者による作成・提出が発覚した場合、行政機関側がその申請の有効性を問題視したり、審査の公平性を損なうものとして扱う可能性があります。
  • 情報漏洩・トラブルのリスク:行政書士には守秘義務(行政書士法第12条)や損害賠償責任が法律で明確に定められています。無資格業者にはこれらの義務がなく、機密情報の取り扱いが不透明になり、トラブル発生時の法的保護が極めて薄くなります。

対策3:経営コンサルと書類作成の「分業体制」を選ぶ場合

ワンストップでの依頼が難しい場合や、特定のコンサルタントの経営戦略に関する知見を活かしたい場合には「分業体制」を選択することも可能です。

この場合、中小企業診断士などのコンサルタントには「事業計画の策定支援」や「アドバイス」のみを依頼し、最終的な申請書類への落とし込みや提出代行は、別途契約した行政書士に依頼するという形になります。

  • 分業時の注意点:契約書において、中小企業診断士等への報酬は「コンサルティング」とし、行政書士への報酬は「申請代行・書類作成」として、業務と報酬の内訳を明確に分けることが必須です。

4|まとめ:依頼側のリテラシー向上が鍵

2026年1月1日の法改正は、補助金申請支援業界にコンプライアンスを徹底させ、依頼者がより安全に、質の高い専門家を選べるように変わっていきます。

依頼者である中小企業・個人事業主の皆様は、この変化を前向きに捉え、最も安全かつ効率的なのは、補助金申請に特化した行政書士事務所、あるいは行政書士登録を持つ他士業事務所へのワンストップ依頼であることを理解し、専門家選びにおける「行政書士登録」の有無を重要視してください。

090-9451-9906(担当:茂木)

弊所のご紹介

弊所は補助金申請、各種許認可に特化した行政書士事務所です。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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