板金工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

板金工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

板金工事業とは、金属薄板等を加工して工作物に取り付け、又は工作物に金属製等の付属物を工事です。この記事では、板金工事業とは何か、具体的な工事内容、そして許可取得に役立つ資格まで、分かりやすく解説します。これから板金工事業の建設業許可を取ろうとお考えの方や、「板金工事とは何か」という疑問を抱えている方のお役に立てれば幸いです。

板金工事業とは?

板金工事業は、金属薄板を加工し、建物の屋根や外壁、雨どいなどを取り付ける工事を行う事業です。金属製の屋根葺きや外壁の張り付け、雨どいやダクトの設置などが含まれます。

板金工事業に該当する工事の内容

建設業許可の手引上では、板金工事業として該当する工事例として、板金加工取付け工事・建築板金工事等とされています。
以下に、板金工事に含まれる具体的な工事内容を解説します。

1. 屋根工事(屋根工事業)

屋根工事は、金属製の屋根材(ガルバリウム鋼板など)を使用する工事を指します。瓦やスレートなどの屋根材とは異なり、金属板を加工して屋根に葺く(ふく)のが特徴です。新築の屋根工事はもちろん、既存の屋根に金属板を重ね張りする「カバー工法」も含まれます。軽量で耐震性に優れているため、近年人気が高まっています。
※屋根工事自体は屋根工事業に該当します。(屋根工事業とは?)

2. 外壁工事

建物の外壁に金属サイディングを施工する工事も、板金工事業に該当します。金属サイディングは、断熱性や耐久性に優れ、メンテナンスが比較的容易なことから、住宅や倉庫、工場など様々な建物で採用されています。金属板の切断や折り曲げといった加工技術が求められます。

3. 雨どい工事

雨どいは、屋根に降った雨水を適切に地面に誘導し、建物の基礎や外壁を守る重要な役割を担っています。金属製の雨どいの取り付けや修理、交換は板金工事業の工事です。雨水の流れを計算し、勾配を正確に設定する技術が求められます。

4. ダクト工事

空調設備や換気設備のダクト(通風管)も金属製のものが多く、その取り付けや加工も板金工事業に含まれます。建物の内部に張り巡らされるダクトは、空気の流れをスムーズにし、快適な室内環境を維持するために不可欠な要素です。

5. その他の板金工事

上記の他にも、建物の軒先や窓まわりに施される役物と呼ばれる板金の加工・取り付け、排気筒の設置、厨房設備のフード・ダクト工事など、多岐にわたる工事が板金工事業に該当します。

板金工事業許可を取得するメリット

建設業許可の中でも、板金工事業の許可を取得することには多くのメリットがあります。

  • 請負金額の上限撤廃: 許可がない場合、請負金額500万円未満の工事しか請け負えませんが、許可を取得することでこの上限がなくなります。これにより、大規模な工事や公共工事への参入が可能になります。
  • 社会的信用の向上: 建設業許可は、一定の要件を満たしている証明となり、取引先や顧客からの信用が高まります。
  • 資金調達の円滑化: 金融機関からの融資を受ける際、許可の有無が審査に影響する場合があります。
  • 公共工事への参入: 官公庁などが発注する公共工事の入札に参加できるようになります。

板金工事業の専任技術者になるために役立つ資格

建設業許可を取得するための要件の一つに専任技術者がいることという要件があります。
(専任技術者の要件に関して詳しくこちらの記事で解説しています)
板金工事業の専任技術者になるには、特定の資格を取得することで実務経験が短縮されたり、要件を満たしたりすることが可能です。
もちろん、実務経験のみ(板金工事業に関して10年)で要件を満たすことも可能です。専任技術者となるために、役に立つ資格をご紹介します。

1.建築施工管理技士

  • 級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)

建築工事の施工計画や管理を行うための資格で、板金工事にも関連性が深いです。

2. 技能検定

  • 建築板金(選択科目「ダクト板金作業」)
  • 工場板金
  • 板金(選択科目「建築板金作業」)・建築板金(選択科目「内外装板金作業」)・板金工(選択科目「建築板金作業」)
  • 板金・板金工・打出し板金

技能検定は、働く人々の持つ技能や知識を一定の基準で評価し、国がその能力を証明する国家試験です。
一級の場合は資格のみで専任技術者の要件を満たせますが、二級のみ保有の場合は加えて3年の実務経験が必要です。
(建設関係の技能検定にはどのぐらい種類がある?)

3. 登録基幹技能者

  • 登録建築板金基幹技能者

登録基幹技能者は、熟練した技術と豊富な経験を持つ、現場の中心的なリーダーとなる技能者です。

4. 資格と実務経験の組み合わせ

板金工事業の許可申請においては、資格と実務経験を組み合わせて要件を満たすこともできます。例えば、指定学科(建築学、機械工学など)の高校卒業後5年、大学卒業後3年の実務経験があれば、専任技術者となることができます。

まとめ

板金工事業は、屋根や外壁、雨どいなど、建物の重要な部分を担う専門性の高い工事です。建設業許可を取得することで、事業の幅を広げ、社会的信用を高めることができます。許可取得には、経営経験や専門的な技術を持つ人材の配置が必須であり、特に専任技術者の要件を満たすことが重要です。

実務経験だけでなく、建築施工管理技士技能検定などの資格は、許可取得の際に大きな強みとなります。これらの資格を取得することで、自身の技術力を証明し、建設業許可の要件をクリアしやすくなります。

板金工事業の許可取得を検討されている方は、ご自身の経験や保有資格を確認し、許可取得へ向け、確実に準備を進めていきましょう。専門家である行政書士に相談することも、スムーズな手続きに繋がります。

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