防水工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!
防水工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?専任技術者となるための資格も解説!

「雨漏りって、どこに頼めばいいんだろう?」 「家のベランダ、ひび割れがひどいけど、これって何の工事?」
私たちの暮らしを守る建物にとって、「防水」は非常に重要な役割を果たしています。しかし、「防水工事」と聞いても、具体的にどのような仕事をするのか、どんな種類があるのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、建物を雨や水から守る「防水工事業」について、その仕事内容や主な工法、そして建設業許可を取得する上で役立つ資格まで、網羅的に解説します。これから防水工事業の建設業許可の取得をお考えの方から、「防水工事とはどんな工事を指すのか」という疑問をお持ちの方まで、幅広い方々のお役に立てられれば幸いです。
防水工事業とは?その役割と重要性
防水工事業とは、アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事のことを指します。
雨漏りは、建物の内部に深刻なダメージを与えます。建材が腐食したり、カビが発生したりするだけでなく、建物の構造そのものが弱くなる原因にもなり、最悪の場合、建物の寿命を縮めてしまいます。
防水工事は、単に雨漏りを止めるだけでなく、建物を長持ちさせ、資産価値を維持するために不可欠な仕事です。
防水工事の主な種類と工法
防水工事には、施工する場所や建物の種類、そして水の浸入経路によって、さまざまな工法があります。ここでは、建設業許可の手引きにも記載のある、6つの代表的な工法をご紹介します。
アスファルト防水工事
アスファルト防水は、アスファルトを染み込ませたルーフィングシートを何層にも重ねて、厚い防水層を作る工法です。
- 特徴: 非常に信頼性が高く、耐久性に優れています。主にビルの屋上や公共施設など、大規模な建物で使われることが多いです。
モルタル防水工事
セメント・砂・水を混合したモルタルを用いて、防水層の上に仕上げとして施工する工事です。
- 特徴: 歩行頻度の高い場所に適しています。
シーリング工事
窓サッシや外壁の継ぎ目、ひび割れ部分に、シーリング材(コーキング材)を充填して隙間を埋める工事です。
- 特徴: 雨水の浸入を防ぐ重要な役割を担います。建物の動きに合わせて伸縮するため、ひび割れに強いです。
塗膜防水工事
液状のウレタン防水やFRP防水などの防水材を、ローラーやハケで何層にも塗り重ねて防水層を作る工法です。
- 特徴: 複雑な形状の場所でも、隙間なく施工できます。比較的安価に施工できる点がメリットです。
シート防水工事
合成ゴムや塩化ビニールなどのシートを建物の下地に貼り付けて防水層を作る工法です。
- 特徴: 軽量で建物への負担が少なく、施工が比較的簡単で工期も短い点が魅力です。
注入防水工事
コンクリートのひび割れや隙間に、エポキシ樹脂などの防水材を注入して、水の浸入を防ぐ工法です。
- 特徴: 構造体の内部から止水するため、漏水の原因を根本的に解決する効果が期待できます。
どのような工事が「防水工事業」に該当する?
防水工事業に該当する工事は、上記で解説した工法を用いる、以下のような工事です。
- 屋根、屋上、ベランダの防水工事
- 外壁の防水・シーリング工事
- 地下室の防水工事
- ダム、橋梁、トンネルなどの防水工事
- 浴室やプールの防水工事
建物の水から守る工事全般が、防水工事業の範囲に含まれます。
専任技術者となるために役立つ資格

建設業許可を取得し、大規模な工事を請け負うには、営業所ごとに「専任技術者」を配置する必要があります。防水工事業の専任技術者となるために役立つ資格は、以下の通りです。
防水工事業に関しても、資格は必須というわけでは無く実務経験のみで専任技術者となることは可能です。
(専任技術者となるための具体的な要件について)
技能士
国家資格であり、防水工事の専門的な知識と技術を証明する代表的な資格です。
- 防水施工
一級を保有している場合は実務経験なしで要件を満たすことが出来ますが、二級のみ保有の場合は加えて3年の実務経験が必要となります。
(建設業の技能検定にはどのくらい種類があるの?)
建築施工管理技士
「建築施工管理技士」は、施工管理のプロフェッショナルであることを証明する国家資格です。
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士(仕上げ)
登録基幹技能者
登録基幹技能者とは、熟練の技能と高い専門的な知識を持つ、現場のリーダーを育成する資格制度です。
- 登録防水基幹技能者
- 登録外壁仕上基幹技能者
まとめ

防水工事業は、私たちの生活を支える建物を、雨や水から守る重要な仕事です。
- 防水工事業とは:
- アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事です。
- 防水工事の種類:
- アスファルト防水、モルタル防水、シーリング、塗膜防水、シート防水、注入防水など、様々な工法があります。
- 専任技術者となるために役立つ資格:
- 防水施工技能士、建築施工管理技士などを取得することで、建設業許可の専任技術者となることができます。
皆さんも防水工事業の建設業許可を取得して、さらなる事業拡大を目指していきましょう。