建設業許可に「裏技」は存在するのか? 知らないと損する5つのポイント

建設業許可に「裏技」は存在するのか? 知らないと損する5つのポイント

建設業を営む経営者の皆さん、こんな風に思ったことはありませんか?

「建設業許可って、手続きが複雑で時間がかかるな…」 「どうにかして、もっと早く簡単に取得できる“裏技”はないだろうか?」

結論からお伝えします。

建設業許可に、いわゆる「裏技」や「魔法のような抜け道」は存在しません。

しかし、これは決して絶望的な話ではありません。なぜなら、多くの事業者が知らないだけで、申請を劇的にスムーズに進める「最短ルート」や「効率化のコツ」は確かに存在するからです。

この記事では、多くの事業者が誤解している「裏技」の正体を解き明かし、代わりに、専門家だけが知っている申請を効率化する5つの重要ポイントを徹底解説します。これを知っているか知らないかで、許可取得までの時間と労力に大きな差が出ます。

1. 「裏技」の正体は“無駄をなくす”ことだった

「裏技」と聞いてイメージするのは、「法律の穴を突く」「書類を省略する」といった方法かもしれません。しかし、建設業許可は建設業法という法律に基づいた厳格な審査です。不正な申請は却下されるだけでなく、最悪の場合、罰則の対象にもなりかねません。

では、なぜ「裏技」という言葉がまことしやかに囁かれるのでしょうか?

その正体は、「無駄な作業を徹底的に排除し、必要な手続きを最短で行うためのノウハウ」です。

多くの事業者が許可取得に時間がかかるのは、以下のような「無駄」が原因です。

  • 必要な書類がわからず、何度も役所に足を運ぶ
  • 申請要件を満たしているか不確実なまま準備を進める
  • 添付書類の形式や記載方法の不備で、差し戻しを食らう

これらの無駄をなくすことが、結果的に「裏技」のように見えるほど、スムーズな許可取得につながるのです。

2. 知らないと損する!建設業許可の5つの重要ポイント

ここからが本題です。許可取得の専門家である行政書士が、絶対に知っておくべき5つのポイントをご紹介します。

ポイント1:最初に「許可要件」を徹底的に確認する

多くの人が陥りがちなのが、「とにかく書類を集めよう」と行動してしまうことです。しかし、最も重要なのは、自社がそもそも許可要件を満たしているかを最初に確認することです。
どんなに完璧に書類を集めても、そもそも許可要件を満たしていないと絶対に建設業許可は取れません。

建設業許可には、大きく分けて以下の5つの要件があります。

  1. 経営業務の管理責任者の要件
  2. 営業所技術者旧:専任技術者)の要件
  3. 誠実性の要件
  4. 財産的基礎(資金力)の要件
  5. 欠格要件に該当しないこと

特に注意すべきは「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」の要件です。この2つの要件を満たしていなければ、どんなに書類を完璧に揃えても申請は通りません。
※現在は営業所技術者という名称ですが、この記事では聞き馴染みのある専任技術者で解説します。

【具体的な行動】

  • 自社の役員等が、それぞれの要件に該当する実務経験や資格があるかを確認する。
  • もし経験が不足している場合は、要件を満たす人材の採用も視野に入れる。
  • 建設業法における実務経験の数え方には細かいルールがあるため、自己判断せず、専門家や行政庁の相談窓口を利用する。

ポイント2:「専任技術者」の証明書類を最優先で集める

許可取得で最もつまずきやすいのが、「専任技術者」の証明です。専任技術者は、申請する業種に関する10年以上の実務経験、または指定の資格を持っている必要があります。
(別記事:専任技術者の要件を分かりやすく解説)

この実務経験を証明するためには、過去に所属していた会社の請負契約書、請求書、通帳のコピーなど、客観的な証拠書類が大量に必要になります。

【具体的な行動】

  • 専任技術者となる予定の人物に協力を依頼し、まず「実務経験を証明できる書類」をすべてリストアップしてもらう。
  • 不足している書類がないか、できる限り早い段階で確認する。
  • もし書類が紛失している場合は、発注元に再発行を依頼する。

ポイント3:申請書類のテンプレートを徹底的に活用する

建設業許可の申請書類は、膨大で複雑です。一からすべて手書きで作成しようとすると、ミスも多くなり、膨大な時間がかかります。

【具体的な行動】

  • 各都道府県の建設業許可申請窓口のウェブサイトから、申請書類のテンプレート(エクセルやPDF)をダウンロードする。
  • テンプレートに沿って入力すれば、記載漏れや形式の不備を大幅に減らすことができる。
  • 最新のテンプレートは頻繁に更新されることがあるため、必ず最新版を使用する。

ポイント4:「専門家」の力を効果的に利用する

「専門家なんて高そう…」と敬遠する人もいますが、時間とコストをトータルで考えると、専門家(行政書士)に依頼する方が圧倒的に効率的で安心です。

専門家を利用する最大のメリットは、以下の3つです。

  1. 無駄な時間と労力を削減できる:膨大な書類の収集や作成、役所とのやり取りをすべて任せられる。
  2. 不備による差し戻しリスクを減らせる:プロが完璧な状態で書類を作成・確認するため、一発で審査を通せる可能性が高まる。
  3. 最新の情報を入手できる:法令改正や担当窓口の変更など、最新の情報を常に把握しているため、スムーズに対応できる。

特に、忙しい経営者や、書類作成が苦手な方は、専門家への依頼を最初から検討する方が賢明です。

ポイント5:「会社設立」と「建設業許可」を同時に考える

これから法人を設立して建設業を始める方や、個人事業主から法人成りする方は、会社設立と建設業許可を同時に計画することが最も効率的です。

多くのケースで、会社設立後に建設業許可の準備を始めるため、時間が二重にかかってしまいます。

まとめ:無駄をなくす「王道」が最大の「裏技」だった

建設業許可に「裏技」はありません。しかし、無駄なプロセスを徹底的に排除し、必要なステップを正確に踏んでいくことが、結果的に最高の「裏技」となるのです。

今回の5つのポイントを実践することで、あなたは以下のメリットを得られます。

  • 時間と労力を大幅に削減できる
  • 不備による差し戻しリスクをゼロに近づけられる
  • 許可取得後の事業計画をスムーズに進められる

許可取得は、決してゴールではありません。それは、事業を次のステージに進めるための重要なスタート地点です。ぜひ、この記事で紹介した「裏技」のポイントを活かして、最短で許可を取得し、さらなる事業の拡大を目指していってください。

もし、ご自身のケースでどう進めていけば良いかお悩みでしたら、まずは専門家への無料相談から始めてみることをお勧めします。

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