【建設業許可】「営業所技術者」って何?専任技術者はいなくなった?行政書士が解説!
【建設業許可】「営業所技術者」って何?専任技術者はいなくなった?行政書士が徹底解説!

建設業許可の更新や手続きの手引きを見て、突然現れた「営業所技術者」という文字に戸惑っていませんか?
「以前は専任技術者だったはずだけど…」「専任技術者はいなくなってしまったの?」
ご安心ください。それは、皆さまがご存知だった「専任技術者」が、令和7年の法改正によって「営業所技術者」という新しい名前に変わったためです。
この記事は、初めて「営業所技術者」という言葉に触れた建設業者の皆さまに向けて、行政書士が法改正の背景から、変更点、そして今後の手続きへの影響までを分かりやすく解説します。ご参考にしていただけると幸いです。
目次
1|結論:「専任技術者」は「営業所技術者」に名称変更しました!

結論から申し上げますと「営業所技術者」は、建設業許可の要件として各営業所に常時配置が義務付けられていた「専任技術者」の新しい名称です。
これは、令和7年2月1日に施行された改正建設業法によるものです。この改正は、単に名前が変わっただけでなく、建設業界が抱える技術者不足や働き方改革といった大きな課題に対応するための、重要な制度変更を含んでいます。
新旧名称の対照表
| 建設業の区分 | 改正前名称 | 改正後名称 |
| 一般建設業 | 専任技術者 | 営業所技術者 |
| 特定建設業 | 専任技術者 | 特定営業所技術者 |
「専任技術者」は姿を消したわけではなく、「営業所技術者」という役割に進化し、その職務がより明確化されました。
2|最重要ポイント:「営業所技術者」の要件は基本的に変わっていません

ここで、皆さまが気になっているであろう最も重要な点をお伝えします。
「専任技術者」が「営業所技術者」に名称変更されましたが、その技術者としての資格要件や実務経験要件、そして営業所への専任義務といった基本的な要件は、特に変更されていません。
変わらない要件の例
- 資格要件: 従来通り、許可を受けようとする建設業の種類に応じた国家資格(例:一級/二級施工管理技士、建築士など)または所定の実務経験が引き続き求められます。
- 専任義務: 原則として、引き続きその営業所に常時勤務していること(専任性)が求められます。他の会社の役員や従業員、他の営業所の技術者との兼任は原則として認められません。
- 実務経験: 許可業種に応じた10年間の実務経験(特定の学歴・資格があれば短縮)といった要件も維持されています。
つまり、現在「専任技術者」として認められている方は、そのまま「営業所技術者」として引き続き認められますので、ご心配は無用です。
3|「営業所技術者」への名称変更と法改正の最大の背景

なぜ、長年使われてきた「専任技術者」という名称を変更する必要があったのでしょうか。
1. 法改正の最大の目的:技術者不足への対応と兼任の合理化
従来の「専任技術者」は、原則として現場に配置される主任技術者や監理技術者と兼任することができませんでした。この厳格なルールが、技術者が少ない中小建設業者にとって大きな負担となっていました。
改正法は、この「二重配置の原則禁止」を合理化し、技術者の有効活用を促進することを最大の目的としています。
名称を「営業所技術者」とすることで、その職務を営業所での技術管理に特化させ、一定の条件の下で、現場の主任技術者等との兼任を可能にする特例を設けるための道筋を作りました。
2. 特定建設業者の技術者にも名称変更
一般建設業の技術者が「営業所技術者」に変わったのと同様に、特定建設業の技術者も名称が変わっています。
総称で「営業所技術者等」とされています。
| 建設業の区分 | 改正前 | 改正後 |
| 一般建設業 | 専任技術者 | 営業所技術者 |
| 特定建設業 | 専任技術者 | 特定営業所技術者 |
4|改正の核心!「営業所技術者」が現場を兼任できる特例

今回の法改正で、建設業者にとって最も実務的なメリットがあるのが、営業所技術者と現場技術者(主任技術者・監理技術者)の兼任特例の導入です。
兼任が可能になるための要件
原則として、営業所技術者はその職務を果たすため営業所に専任する必要がありますが、以下の要件を満たす場合に限り、現場の主任技術者や監理技術者(ただし専任義務のある工事に限る)を兼任することが認められます。
全部で9要件がありますが、ここではそのうちの5つをご紹介します。
- 工事現場の数: 兼任できる工事現場は、1つまで。
- 契約: 営業所技術者が配置されている営業所で締結された工事であること。
- 営業所と現場の距離: 1日で巡回可能かつ、概ね2時間以内の距離に、営業所と工事現場があること。
- 請負金額の上限: 兼任する工事の請負金額が、1億円以下(建築一式工事の場合は2億円以下)であること。
- ICTの活用: 営業所と工事現場の間で、常時、施工体制を確認できる情報通信技術(ICT)の措置が講じられていること(例:カメラ、クラウドサービス等を利用したリアルタイムの情報共有)。
- 連絡員の配置: 兼任する工事現場に、緊急時の連絡や調整を行うための連絡員が配置されていること。
- 下請次数の制限: 当該工事の下請次数が3次までであること。
- 人員の配置を示す計画書の作成と保存: 国土交通省が参考様式を提供しています。
- 現場状況の確認のための情報通信機器: 建設キャリアアップシステムなどの、遠隔で作業員の入退場を確認できるシステムの導入。
この特例によって、技術者の配置に柔軟性が生まれ、特に中小企業での技術者の有効活用や人件費の負担軽減に繋がることが期待されています。
5|押さえておくべき!その他の微妙な改正点

「営業所技術者」への名称変更の他にも、建設業許可制度をめぐっては、実務に影響を与えるいくつかの重要な改正が行われています。
1. 主任技術者等の「専任」が求められる請負金額の変更
現場技術者である主任技術者や監理技術者の専任が義務付けられる工事の請負金額の基準が、以下のように引き上げられました。
| 建設業の区分 | 改正前(税込) | 改正後(税込) |
| 一般工事 | 4,000万円以上 | 4,500万円以上 |
| 建築一式工事 | 8,000万円以上 | 9,000万円以上 |
これは、物価高騰や市場の変化を反映し、専任義務の対象となる工事を絞り込むことで、現場技術者の配置の柔軟性を高めることを目的としています。
2. 特定建設業許可金額の引き上げ
特定建設業許可が必要となる要件の一つである、「発注者から直接請け負った建設工事について、下請けに出す金額(下請契約の合計金額)」の基準が引き上げられました。
| 建設業の区分 | 改正前(税込) | 改正後(税込) |
| 特定建設業許可の要件 | 4,500万円以上 | 5,000万円以上 |
| 建築一式工事 | 7,000万円以上 | 8,000万円以上 |
この引き上げにより、特定建設業許可が必要となる事業者の範囲が若干狭まり、特に中小の建設業者が特定建設業許可を取得する際の財務的・人的な負担を軽減する効果が期待されます。
6|既存の建設業者様が確認すべき今後の対応
「営業所技術者」という新名称と、兼任特例の導入は、今後の事業運営に大きな影響を与えます。
- 申請書類の名称変更を徹底確認: 今後の更新申請や変更届出では、提出書類の名称が「営業所技術者」となっていることを必ず確認してください。
- 兼任特例の導入検討: 貴社の技術者配置を見直し、兼任特例を活用できるか検討してください。特に、中小企業で特定の有資格者への依存度が高い場合は、特例の活用が経営効率の改善に直結します。
- 技術者台帳の最新化: 配置技術者の資格や経験年数を記した技術者台帳を最新の状態に保ち、どの技術者がどの営業所の「営業所技術者」となり、どの現場の「主任技術者」を兼任するのか、明確な配置計画を立ててください。
7|まとめ:法改正をビジネスチャンスに!行政書士からの提言

「営業所技術者」への名称変更も含む建設業法の改正は、建設業の生産性向上と技術者の働き方改革を実現するための、制度の進化です。
技術者としての基本的な要件は変わっていませんのでご安心ください。しかし、名称変更に伴って導入された兼任特例を戦略的に活用することで、貴社の技術者配置の柔軟性は格段に向上し、経営上の大きなアドバンテージを得ることができます。
法改正後の建設業許可の申請・更新手続き、特に兼任特例の適用については、複雑な要件確認や届出が伴います。
建設業許可専門の行政書士は、最新の法令に基づき、貴社の状況に最適な技術者配置計画の立案から、煩雑な申請手続きまでを正確かつ迅速にサポートいたします。
法改正という変化を、貴社の事業成長のチャンスに変えましょう。
弊所のご紹介
弊所は建設業許可に特化した行政書士事務所です。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元、型枠大工の行政書士が全力でお客様の事業をサポートいたします。

また、弊所の取り組みとして近年現場で導入が進んでいる「建設キャリアアップシステム」や「グリーンサイト」、「buildee」の登録代行も、建設業許可と合わせて行っております。
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