左官工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に必要な資格も解説!

左官工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に必要な資格も解説!

左官工事業は、壁や床などの表面に、モルタルや漆喰といった素材を塗り、建物の仕上げを行う専門的な建設業です。この仕事は、建物の美観を決定づけるだけでなく、防水性や防火性を高める重要な役割も担っています。
今回は、建設業許可における左官工事業について工事の内容、取得に必要な国家資格を専門家である行政書士が解説します。これから左官工事業の建設業許可の取得をお考えの方へ少しでもお役に立てれば幸いです。

1:左官工事業とは?

左官工事業とは、モルタル漆喰セメント土壁などの材料を、コテを使って、建物の壁や床、天井などに塗り付ける工事全般を指します。 左官職人は、単に材料を塗るだけでなく、その建物の気候や用途に合わせて材料の配合を調整したり、美しい模様や質感を作り出したりする高度な技術が求められます。

この仕事の歴史は非常に古く、左官の起源は、人々が竪穴式住で暮らしていた縄文時代にまでさかのぼります。
当時、壁の材料である土は最も身近な素材でした。その土を積み上げていき土塀を作ったのが左官工事の起源なのです。
現在でも、伝統的な日本家屋の土壁や漆喰壁は、左官職人の手によって作られています。

2:左官工事の内容

左官工事は多岐にわたります。下記のような工事が対象となります。

左官工事:モルタルや壁土などを使い、建物の壁や床にコテで塗装をする工事です。

モルタル防水工事:モルタルを用いて、防水層の上に仕上げとして施工する方法です。

吹付け工事:建築物に対してモルタルなどを吹き付ける工事

とぎ出し工事:グラインダーを使い、人造石などを磨く工事

洗い出し工事:玉砂利やガラスなどをセメントに混ぜたものを塗り付け、玉砂利などが浮き出すようにセメントを刷毛などで洗い出して仕上げる工事

3:左官工事業を取得するには?必要な資格を解説

左官工事業を取得するにあたり、必須の国家資格はありません。左官工事業に関しても、実務経験で取得することは可能です。
しかし、専門的な知識や技術を証明する資格は、信頼性の向上や仕事の幅を広げる上で非常に役立ちます。
左官工事業を取得する際に役に立つ資格は下記の通りです。

1. 技能検定 左官

これは、厚生労働大臣が実施する国家資格で、左官に関する技能レベルを証明するものです。技能士を保有していることで、左官工事業の専任技術者となることが可能です。

  • 一級左官技能士
  • 二級左官技能士

※一級の場合は実務経験がいりませんが、二級で取得する場合には加えて3年の実務経験が必要となります。

2. 建築施工管理技士

建設工事全体の施工計画や安全管理、品質管理を行うための国家資格です。建築施工管理技士を保有していることで、左官工事業の専任技術者となることが可能です。

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)

3. 登録左官基幹技能者

国土交通大臣が認定する資格で、熟練した左官技能と、現場での指導や調整能力を持つことを証明します。この資格を持つ職人は、現場のリーダーとして活躍することが期待されます。
※国家資格ではありません。

4:まとめ

左官工事業は、壁や床の表面を美しく、そして機能的に仕上げる、日本の伝統と現代の技術が融合した重要な仕事です。ただ単に壁を塗るだけでなく、その建物の特性や用途に合わせて最適な材料を選び、高度な技術で仕上げることで、建物の価値を大きく高めます。繊細な手仕事と創造性を活かせる、非常にやりがいのある職業と言えるでしょう。
建設業許可を取得し、さらなる技術を磨いて事業を拡大していきましょう。

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