石工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に必要な資格も解説!
石工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に必要な資格も解説!

石工事業は、石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事を専門とする建設業です。建設業許可おける専門工事業の一つであり、私たちの身の回りにある多くの構造物や景観に深く関わっています。
今回は、石工事業の具体的な仕事内容から、取得に必要な国家資格、そして建設業許可を得るための要件まで、詳しく解説します。今後、石工事業の建設業許可取得をお考えの方のご参考になれば幸いです。
1:石工事業とは?社会における役割
石工事業は、古代から現代に至るまで、人類の生活と文化に欠かせない技術として発展してきました。城の石垣や神社の鳥居、墓石といった歴史的な建造物から、現代の建築物の外壁、道路の擁壁、公園のモニュメントまで、石の持つ美しさと強靭さを最大限に活かす仕事です。
日本の伝統的な石工技術は、石の性質を見極め、石同士を緻密に組み合わせて強度を高めるなど、高度な職人技に支えられています。
2:石工事業に当てはまる具体的な工事内容
石工事業の範囲は広く、多岐にわたる工事が含まれます。主な工事内容と、注意が必要な関連工事との区別を解説します。
1. 石積み工事
河川の護岸、道路の擁壁、庭園の築山、城郭の石垣など、石を積み上げて構造物を作る工事です。自然石の持つ風合いを活かしたり、加工された石材(間知石など)を正確に配置したりと、用途や目的に応じて様々な工法が用いられます。土砂崩れを防ぐための重要なインフラ工事から、景観を美しく保つための工事まで、その役割は多岐にわたります。
2. 石貼り工事
建物の外壁に、薄く板状に加工された石材(大理石、御影石など)を貼り付ける工事です。建物の美観を高めるだけでなく、耐久性や耐火性を向上させる効果もあります。内部の床や壁に石を貼ることもあり、高級ホテルや商業施設の内装にも多く用いられます。
3. 墓石工事
墓石の加工、組み立て、設置を行う工事です。故人を偲ぶ大切な場所であるため、細部まで丁寧に作業を行う必要があります。石材の選定から、文字や家紋の彫刻、そして土台となる部分の基礎工事まで、一連の作業が含まれます。
4. その他の工事
- 庭石の設置: 庭園の景観を構成する上で欠かせない庭石の配置や据え付け。
3:石工事業と間違いやすい工事との区別
石工事と工事内容が似ている業種が複数あります。間違いやすいため違いをしっかりと把握しましょう。
「間違って違う業種の許可を取得してしまった」ということにならないように注意しましょう。
- 石工事業:
- 石工事業と判断される場合:建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事
- とび・土工工事業:
- とび・土工工事業と判断される場合: 根固めブロック、消波ブロックの据付等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付を行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事
とび・土工・コンクリート工事業とは?
- とび・土工工事業と判断される場合: 根固めブロック、消波ブロックの据付等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付を行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事
- タイル・れんが・ブロック工事業:
- タイル・れんが・ブロック工事業と判断される場合:コンクリートブロックにより建築物を建設する工事をいう。(エクステリアとしてこれを行う工事を含む)
4:石工事業の建設業許可取得に必要な国家資格

石工事業を営むためには、原則として建設業の許可が必要です。この許可を取得するには、いくつかの要件を満たす必要があり、その一つが「専任技術者」の存在です。専任技術者になるためには、以下のいずれかの国家資格を有していることが一般的です。資格は必須ということではなく、他の業種と同様、実務経験のみでも取得することは可能です。
1. 施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
- 二級土木施工管理技士(土木)
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士(仕上げ)
2. 技能検定
- ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工
- 石材施工・石積み・石工
※二級のみ保有の場合は、加えて3年の実務経験が必要になります。
3.登録エクステリア基幹技能者
登録エクステリア基幹技能者とは、長年の実務経験と熟練した技術を持つ、建築ブロック・エクステリア工事の現場のリーダーです。現場の効率的な管理や、他の職人への指導など、高いマネジメント能力を併せ持つ専門家として活躍します。
※国家資格ではありません。
5:まとめ

石工事は、建物の外壁や床に石を貼ったり、庭園に庭石を配置したり、墓石や記念碑を設置したりと、幅広く行われます。耐久性や美観に優れており、古代から現代まで使われる重要な技術です。
石工事業は、その専門性と伝統的な技術が求められる、やりがいのある仕事です。石工事業の建設業許可を取得して、事業を拡大していきましょう。