ガラス工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

ガラス工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

ガラス工事業は、私たちの生活に欠かせない建物の窓ガラスや鏡、ショーケースなどのガラス製品の設置や交換、加工を行う専門工事です。単にガラスをはめ込むだけでなく、建物の種類や用途、環境に合わせて最適なガラスを選定し、安全かつ機能的に設置するための高度な技術が求められます。この記事では、ガラス工事業にはどんな工事が該当するのか。また、建設業許可を取得するにあたり役に立つ資格も併せて解説します。
これからガラス工事業の建設業許可を取得したいとお考えの方の少しでもお役に立てれば幸いです。

ガラス工事業の定義と役割

ガラス工事業は、建築工事の一部門であり、「工作物にガラスを加工して取り付ける工事」として建設業法に定義されています。

【ガラス工事業の主な役割】

  • ガラスの選定: 建物の用途(住宅、商業施設、工場など)や求められる機能(断熱、防音、防火、防犯など)に合わせて、最適なガラスを選びます。
  • 採寸・加工: 窓枠や開口部のサイズに合わせて、ガラスを正確に採寸し、切断や研磨、穴あけなどの加工を行います。
  • 取り付け: 窓枠やサッシにガラスをはめ込み、シーリング材やガスケットなどを用いて固定します。
  • メンテナンス・修理: 経年劣化や破損したガラスの交換、修理を行います。

近年では、地球温暖化対策として住宅の断熱性能向上への関心が高まっており、高断熱複層ガラスやLow-Eガラスといった省エネガラスの需要が増加しています。ガラス工事業は、こうした社会のニーズに応える重要な役割を担っています。

ガラス工事業に該当する工事内容

ガラス工事業と一口に言っても、その工事内容は多岐にわたります。以下に代表的な工事内容を挙げます。
建設業許可の手引きには「ガラス加工取付工事・ガラスフィルム工事等」とされていますが、ここではもう少し掘り下げて解説します。

① 窓ガラスの取り付け・交換工事 最も一般的な工事で、新築住宅やビルの窓にガラスを設置したり、既存のガラスを交換したりする工事です。

  • 板ガラス: 一般的な窓ガラス。
  • 網入りガラス: ガラスの中に、金属の網が入ったガラスです。破損時にガラスの破片が飛び散りません。
  • 複層ガラス: 2枚のガラスの間に空気層を設けることで、高い断熱・結露防止効果を発揮します。
  • Low-Eガラス: ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングすることで、夏は太陽熱をカットし、冬は室内の熱を逃がさない高い省エネ性能を持ちます。

② 店舗や商業施設のガラス工事

  • ショーケース: 商品を展示するためのガラスケースの設置。
  • ガラス扉・パーテーション: 店舗内の間仕切りや出入り口にガラスを設置。開放感のある空間を演出します。

③ その他の特殊なガラス工事

  • 鏡の取り付け: 住宅の洗面所や玄関、フィットネスジム、ダンススタジオなどの壁面に鏡を取り付けます。
  • ステンドグラスの取り付け: 教会や住宅、公共施設などに芸術性の高いステンドグラスを設置します。
  • ガラスブロック工事: 光を通しながらプライバシーを確保できるガラスブロックを壁面に設置します。
  • ガラススクリーン工事: 階段やベランダの手すりとしてガラスを設置します。景観を損なわない設計が可能です。
  • 防犯ガラス工事: 複数のガラスを特殊な中間膜で圧着し、侵入を防ぐ高い防犯性能を持つガラスの取り付け。

ガラス工事業の範囲は広く、これらの工事は他の業種(建具工事業、内装仕上工事業など)と重なる部分もあります。しかし、ガラスの加工や取り付けを専門に行う工事は、すべてガラス工事業に分類されます。

ガラス工事業の専門家になるために役立つ資格

建設業許可を取得する際の要件の一つとして、専任技術者の配置があります。その専任技術者となるためには特定の資格や実務経験が求められます。
資格は必須というわけでは無く、実務経験(10年)を証明することによって専任技術者となることも可能です。
ここでは、専任技術者になるために役に立つ資格を解説します。
【専任技術者(現営業所技術者)となるための条件に付いて詳しく解説】

建築施工管理技士

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)

建築工事の施工計画や工程管理、安全管理などを行う専門家です。この資格があれば、現場全体の管理を任されることが増え、キャリアアップにつながります。

技能士

  • ガラス施工

国家資格である「技能士」の一つで、ガラス工事に関する高度な技術と知識を証明するものです。一級と二級があり、それぞれのレベルに応じて実技と学科試験が実施されます。
一級を保有していれば実務経験なしで要件を満たせますが、二級のみ保有の場合は加えて3年の実務経験が必要となります。
(建設業に関連する技能士の種類はどのくらいある?をこちらの記事で解説しています)

登録基幹技能者

  • 登録硝子工事基幹技能者

建設現場で働く熟練技能者の中でも、特に優れた技術と知識、そしてマネジメント能力を併せ持ち、現場のリーダーとして活躍できると国に認められた人です。

まとめ:ガラス工事業は、生活を豊かにする専門職

ガラス工事業は、建物の機能性や美しさを決定づける重要な役割を担う専門職です。単にガラスをはめる作業ではなく、断熱、防音、防火、防犯といった多様な機能を理解し、顧客のニーズに合わせて最適な提案を行うコンサルタントとしての側面も持ち合わせています。

近年では、スマートガラスや太陽光発電機能を持つガラスなど、新たな技術を持つ製品も登場しており、ガラス工事業の仕事は今後ますます高度化し、その重要性は高まっていくでしょう。

今回の記事で紹介したように、ガラス工事業は専門的な知識と技術が求められる分野であり、関連資格を取得することで、キャリアパスを大きく広げることができます。ガラス工事業の建設業許可を取得して、事業を拡大していきましょう。

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