【どの業種をとればいい?】外構工事を行う場合に必要な許可をケース別に解説!
【どの業種をとればいい?】外構工事を行う場合に必要な許可をケース別に解説!

外構工事業者様、日々の業務お疲れ様です。行政書士の茂木と申します。
事業を安定させ、さらに成長させるために、いつかは直面するのが「建設業許可」の取得です。特に外構工事は、門扉、フェンス、コンクリート、植栽と工事内容が多岐にわたるため、「一体、自分のどの業種をとればいいの?」と悩む方が非常に多くいらっしゃいます。
建設業許可は、全部で29種類の業種が存在します。事業内容や請負金額に応じて「最適な業種」を選択して取得する必要があります。もし、必要な業種の判断を誤って違う業種を取得して一定規模以上の工事を行ってしまうと、無許可営業状態となってしまいます。
この記事は、あなたが現在行っている、または将来的に手掛けたい工事内容に応じて、「取得すべき業種はこれだ!」と明確に判断できるよう、具体的なケースと判断基準を解説します。ただ、都道府県により解釈の仕方が多少異なる部分があるためご注意ください。
許可取得に向け、少しでも参考にしていただけると幸いです。
1|建設業許可の基本:外構工事で許可が必要になる「境界線」

まず、建設業許可は全ての工事で必要というわけではありません。以下の「軽微な工事」のみを請け負う場合は、許可がなくても営業可能です。
| 許可の要否 | 基準 |
| 許可が不要 | 1件の請負代金が500万円(税込)未満の工事(材料費も含む) |
| 許可が必要 | 1件の請負代金が500万円(税込)以上の工事 |
外構工事は比較的小規模な工事も多いため、500万円未満で収まるケースも多いですが、大規模な宅地造成を伴う外構一式工事や、高額なカーポート・サンルームの設置、高級住宅の外構デザインなどでは、500万円を超過します。
事業を拡大し、高額案件を受注したいなら、建設業許可は必須です。そして、その際にどの業種の許可を取るかが、事業の将来を左右します。
また、社会的信用といった面でも建設業許可の存在は大きいです。銀行での融資なども通りやすくなったりする場合があるため、許可を取得するに越したことはないでしょう。
2|ケース別解説!外構工事で取得すべき主要な3つの業種

外構工事の内容は多岐にわたりますが、中心となる作業から、取得すべき業種を判断できます。まずは、外構工事において最も頻繁に関わる主要な3業種を確認しましょう。
パターン1:ほとんどの外構工事をカバーしたい場合(汎用性No.1)
カーポート設置、コンクリート土間打ち、ブロック塀やフェンスの設置など、地面を掘削したり、コンクリートやブロックを据え付けたりする作業をメインで行っているなら、この業種が最も適切です。
| 業種名 | とび・土工・コンクリート工事業 |
| 工事の例 | ブロック塀・擁壁の設置、コンクリート基礎を伴う門扉・フェンスの設置、駐車場・アプローチのコンクリート打設、大規模ではない土の掘削・盛土(造成)、地盤改良など |
| 判断の基準 | 「基礎的な土台づくり」や「コンクリート・ブロックを用いた工事」がメインかどうか。 |
| 重要度 | 外構工事業者が最初に取得すべき、最も汎用性の高い業種です。 |
| 詳細記事 | [とび・土工・コンクリート工事業の建設業許可について解説した記事] |
パターン2:庭園・植栽・景観の設計施工がメインの場合
植木の剪定、植栽、芝張り、景石の設置、ウッドデッキ(庭園の一部として)の設置など、「緑」や「景観」を創り出す工事をメインで行っているなら、この業種が必要です。※工事によっては大工工事が必要になる場合もあります。
| 業種名 | 造園工事業 |
| 工事の例 | 植栽工事、芝張り、景石の据付、園路工事、庭園の築造、屋上緑化工事、人工地盤への植栽工事など |
| 判断の基準 | 「整地、植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する」工事であるかどうか。 |
| 重要度 | 景観設計や大規模な緑化工事を受注する上で不可欠です。 |
| 詳細記事 | [造園工事業の建設業許可について解説した記事] |
パターン3:広範囲の道路・駐車場などの舗装を専門とする場合
あなたがアスファルト、コンクリート、または特殊なブロック舗装など、広い面積の路盤築造と舗装を専門的に請け負っている場合、特に舗装部分だけで500万円を超える案件が多い場合は、この業種の取得を検討します。
| 業種名 | 舗装工事業 |
| 工事の例 | アスファルト舗装、コンクリート舗装、インターロッキングブロック舗装(広い面積)、路盤築造工事など |
| 判断の基準 | 「砂利、砕石等により舗装する工事」がメインであり、その専門性が高いかどうか。 |
| 重要度 | 自社の売上の大部分を舗装工事が占める場合に、取得を検討します。 |
| 詳細記事 | [舗装工事業の建設業許可について解説した記事] |
3|知っておくべき!混合工事とその他の専門工事業種

外構工事は、一つの業種だけで完結しない「混合工事」になることがほとんどです。請け負った工事全体で500万円を超える場合、原則として主たる工事と、それに付随する従たる工事(専門工事)の許可が必要です。
以下に、外構工事に付随して発生しやすい専門工事と、その業種区分を解説します。
1. タイル・レンガ・石材を多用する場合
アプローチや門柱に天然石やタイル、化粧ブロックなどを多用し、その工事金額が全体の主要な部分を占める場合、以下の業種が関係してきます。
| 専門工事の例 | 該当する業種 | 関連する外構工事 |
| 石積み・石張り工事 | 石工事業 | 天然石の塀や門柱の設置、飛び石の据付(景石と区別される場合) |
| タイル・レンガ・ブロック積み(化粧) | タイル・れんが・ブロック工事業 | 構造体ではない化粧タイルやレンガを専門的に積み上げる工事 |
| 詳細記事 | [石工事業の建設業許可について解説した記事] / [タイル・れんが・ブロック工事業の建設業許可について解説した記事] |
ただし注意! 一般的なコンクリートブロックの積み上げや、門柱の基礎を伴うタイル工事は、「とび・土工・コンクリート工事業」に含まれることが多く、専門工事として独立して500万円を超えるかが判断の鍵です。
2. 鋼材・金属製品の設置を伴う場合
カーポート、テラス、大型の門扉など、主に金属製品を現場で組み立て、構造物として設置する場合に関わります。
| 専門工事の例 | 該当する業種 | 関連する外構工事 |
| 大型カーポート・テラスの設置 | 鋼構造物工事業 | H鋼や鉄骨など、鋼材の加工・組立てを伴う構造物工事 |
| アルミサッシ・金属製建具の取付け | 建具工事業 | 金属製サッシ、自動ドア、シャッター、一般的なカーポートやテラスの設置(指導要領で建具工事業と判断される場合がある) |
| 詳細記事 | [鋼構造物工事業の建設業許可について解説した記事] / [建具工事業の建設業許可について解説した記事] |
判断のポイント: 多くの一般的な外構フェンスやカーポートの設置は、「とび・土工・コンクリート工事業」の範囲内で施工できることがほとんどです。しかし、建物本体に固定される構造物や、非常に大きな構造物の場合は、これらの専門業種が必要になる可能性が高まります。
3. 電気・配管工事を含む場合
外構工事には、照明、インターホン、給排水管の引き込みなど、電気や管に関する工事も含まれます。
| 専門工事の例 | 該当する業種 | 関連する外構工事 |
| 照明、インターホンの配線工事 | 電気工事業 | 外部コンセントや照明機器への配線・結線工事 |
| 敷地内の給排水管の引き込み・設置 | 管工事業 | 建物に接続する給排水設備、散水栓の設置工事など |
| 詳細記事 | [電気工事業の建設業許可について解説した記事へのリンク] / [管工事業の建設業許可について解説した記事] |
付帯工事の原則: これらの電気・管工事は、外構工事に付随して行われる「付帯工事」として扱われる場合、主たる工事(例:とび・土工工事業)の許可があれば、別途その専門業種の許可なしで施工できることがあります。ただし、付帯工事と判断されるには基準があるため、専門家への確認が必要です。
4|複数の許可を取得するメリット

複数の建設業許可を取得することには以下のようなメリットがあります。
複数許可を取得するメリット
- 請負可能範囲の拡大: 一つの現場で、関連工事もワンストップで一括受注できるようになり、顧客からの信頼度が向上します。
- 経営の安定化: 特定の工事需要に依存せず、多角的な事業展開が可能になり、経営が安定します。
- 合法的な対応: 500万円を超えるその他の工事を請け負う際も、許可があれば合法的に工事を進められます。
5|建設業許可取得に必要な要件

建設業の許可を取得に必要な主要要件を解説します。その中でも、特に「経営業務の管理責任者の配置」と「営業所技術者の配置」は人的要件と呼ばれ、難易度が高い要件となっています。
また、複数許可を取得する場合は、それぞれの業種で営業所技術者の要件を満たす必要があります。
1. 経営業務の管理責任者(経管)の配置
建設業の経営を適正に行うための体制を確保する要件です。
- 要件の概要: 役員のうちの一人、または役員に準ずる地位の方が、建設業の経営業務について一定の経験と実績を有している必要があります。
- 例: 建設業に関して5年以上の経営経験、または6年以上の経営業務を補佐する経験などが必要です。
ポイント: 2020年(令和2年)の法改正により、要件が柔軟になりましたが、一般的には「5年の経営経験」で証明するケースが多いです。
関連記事:難解な要件をクリア!経営業務の管理責任者証明のポイントとケース別対応策
2.営業所技術者の配置
建設業の許可を受けた営業所において、請負契約の適正な締結や履行を技術的な側面から確保するための要件です。
- 要件の概要: 各営業所ごとに、その業種に関する専門的な知識や実務経験を持つ技術者を、常勤かつ専任で配置する必要があります。
- 例: 以下のいずれかを満たしている必要があります。
- 資格保有者: 対象の国家資格(例:建築施工管理技士や〇〇技能士など)を持っている。
- 実務経験者: 許可を受けようとする業種に関して、10年以上の実務経験がある(指定学科を卒業している場合は、3年または5年に短縮可能)。
ポイント:同一営業所内であれば、一人の人間が「経営業務の管理責任者」と「営業所技術者」の両方の要件を満たしている場合、一人二役を兼ねることができます。
個人事業主(一人親方)で建設業許可を取得する場合は、「経営業務の管理責任者」と兼任する場合がほとんどです。
関連記事:資格と実務経験が鍵! 建設業許可の営業所技術者(専任技術者)の要件を分かりやすく解説!
3. 適切な社会保険への加入
建設業で働く労働者の待遇改善と、企業のコンプライアンス遵守のため、社会保険への加入は必須の要件となっています。
- 要件の概要: 建設業者が雇用するすべての従業員について、健康保険、厚生年金保険、雇用保険に適切に加入し、その加入状況を証明することが求められます。(個人の場合は国民健康保険、国民年金。従業員を雇っている場合は雇用保険。)
- 重要性: 適切な社会保険への加入は、今や建設業許可を取得・維持するための重要な前提条件です。未加入や加入手続きの不備がある場合、許可申請は受理されません。
関連記事:【建設業許可の要件】適切な社会保険とは?ケース別に徹底解説!
4. 財産的基礎・金銭的信用
工事を請け負い、事業を継続していくための経済的な基盤があることを示す要件です。
- 自己資本(純資産の合計額)が500万円以上であること。
- 500万円以上の資金を調達する能力があること(金融機関の残高証明書などで証明)。
特定建設業を取得する際に必要な財産要件は格段に厳しくなります。
関連記事:【建設業許可の要件】財産要件の500万円。無い場合は?融資でもいい?行政書士が徹底解説!
5. 欠格要件に該当しないこと
- 許可申請者が、建設業法で定められた欠格要件(法律違反による罰則、成年被後見人・被保佐人など)に該当しないことが必要です。これには、申請者本人だけでなく、役員も含まれます。
関連記事:【知らなかったでは済まされない】建設業許可の欠格要件とは?代表者・役員が注意すべきポイント
6|結論:あなたが取るべき許可の「業種選択」

あなたがどの業種の許可を取るべきか迷った際は、以下のフローチャートで確認しましょう。
ステップ1:金額の確認
- 「請負代金500万円以上の工事を請け負う予定はありますか?」
- NO → 現状、建設業許可は不要です(ただし、事業拡大を目指すなら取得準備を)。
- YES → ステップ2へ進んでください。
ステップ2:事業の中心の確認
- 「あなたの事業で最も売上を占める、または請け負いたい工事は何ですか?」
| あなたの事業の中心 | 取得すべき「主たる許可業種」 |
| 1. ブロック塀、コンクリート打設、フェンス設置、造成など基礎的な土木工事 | とび・土工・コンクリート工事業 |
| 2. 庭づくり、植栽、芝張り、景石、園路など景観・緑化工事 | 造園工事業 |
| 3. 大面積のアスファルトや特殊舗装など路盤築造・舗装工事 | 舗装工事業 |
ステップ3:その他の専門工事の確認
- 「主たる工事以外に、500万円以上になる専門工事はありますか?」
- (例) 門柱の石張り工事だけで500万円を超える → 石工事業も必要
- (例) 大型のカーポート設置だけで500万円を超える → 鋼構造物工事業または建具工事業を検討
7|事業を成長させるための業種取得戦略

外構工事業者様におすすめする許可取得の王道戦略は、まず「とび・土工工事業」の許可を取得することです。
- とび・土工工事業を最初に取得する:ほとんどの一般的な外構工事をカバーでき、請負金額の上限がなくなります。
- 事業の専門化・多角化に合わせて追加取得する:
- 緑化事業を強化するなら「造園工事業」
- 特定の大規模舗装案件を獲得するなら「舗装工事業」
- 特定の専門工事で請負金額が500万円を超える案件が増えたら、その都度、該当する専門工事業(石工事業、建具工事業など)の許可を追加で取得していきます。
適切な業種の許可を取得することは、貴社の技術と信用を対外的に示す最良の手段です。どの業種の許可を取るべきか、取得要件を満たしているかなど、ご不明な点があれば、建設業許可専門の行政書士にご相談いただくことを強くおすすめします。
【自力で申請する際によくある3つの失敗】
業種に目星がついたとしても、ネットの情報だけで申請を進めるのは非常にリスクが高い作業です。実際に、ご自身で申請をされた建設業者様が後から弊所にご相談をいただく「よくある失敗」をご紹介します。
- 業種の間違いで「許可の取り直し」に
「とび・土工」で十分だと思っていたら、現場から「解体」の許可を求められた…というケース。一度取得した後に別の業種が必要になると、数万円の申請手数料(証紙代)が再度かかり、さらに数ヶ月の審査待ちが発生します。その間、大きな現場を逃し続けることになり、結果的にプロに依頼する何倍もの損失を出すことになります。 - 「実務経験」の証明が認められず、努力が水の泡に
役所の審査は厳格です。注文書や請求書の「工種名」が1文字違うだけで、「これは実績としてカウントできない」と一蹴されることがあります。自力で数ヶ月かけて集めた書類が、たった一箇所の不備で「今までの苦労が無駄」になってしまう可能性があるのがご自身での申請における最大の怖いポイントです。 - 「営業所技術者(旧専任技術者)」の要件ミスで申請自体がストップ
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弊所のご紹介
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