【どの業種をとればいい?】サイディング工事を行う建設業者に必要な建設業許可をケース別に解説!

【どの業種をとればいい?】サイディング工事を行う建設業者に必要な建設業許可をケース別に解説!

サイディング工事を主力事業とされている建設業者の皆様、事業の拡大や大きな仕事の受注を目指す上で、「建設業許可」の取得は避けて通れない重要なステップです。特に、サイディング工事は使用する材料や施工箇所によって、必要な許可業種が細かく分かれています

この記事では、これから建設業許可の取得を考えているサイディング工事業者の皆様に向けて、「材料」と「施工箇所」に基づいた必要な許可業種をケース別に徹底解説します。そして、許可取得に必要な主要要件と、煩雑な手続きをスムーズに進めるための最善策についてもご紹介します。ご参考にしていただけると幸いです。

090-9451-9906(担当:茂木)

1|サイディング工事に必要な建設業許可業種は大きく4つに分類される!

建設業許可は全部で29の「業種」に分かれていますが、サイディング工事については、その使用する材料の種類によって、専門的な業種に分類されます。これは、それぞれの材料に応じた専門的な知識や工法、工具が必要とされるためです。

サイディング工事を行う建設業者が取得を検討すべき許可業種は、以下の4つに大別されます

1. 大工工事業:ウッドサイディング・木質系サイディング

木材を用いたサイディング材、すなわちウッドサイディング(木質系サイディング)を施工する場合に必要となる業種です。

  • 許可の対象となる工事内容: 構造材、建具、下地材、仕上げ材としての木材を加工し、取り付ける工事全般。ウッドサイディングは、木材の加工・取付けという点から「大工工事」に分類されます。

関連記事:大工工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に必要な資格も解説!

2. 板金工事業:金属サイディング

薄い金属板を加工し、取り付ける工事が「板金工事」です。

  • 許可の対象となる工事内容: 金属サイディングは、薄い金属板(ガルバリウム鋼板など)を成形・加工して外壁に張る工事であるため、この「板金工事」に該当します。

関連記事:板金工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

3. タイル・れんが・ブロック工事業:窯業サイディング

タイル、れんが、ブロックといった硬質な仕上げ材を張り付ける工事が該当します。

  • 許可の対象となる工事内容: 窯業サイディングは、セメント質と繊維質を主原料とする硬質な外壁材であり、その施工方法や性質から、タイルやれんがを張り付ける工事と類似するとされ、「タイル・れんが・ブロック工事」に分類されます。

関連記事:タイル・れんが・ブロック工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ資格も併せて解説!

4. 屋根工事業:材料を問わず「屋根」に施工する場合

上記の材料の種類とは別に、施工する箇所が「屋根」であるかどうかも重要な分類基準です。

  • 許可の対象となる工事内容: 材料(金属、セメント、粘土瓦など)に関わらず、建物の屋根を葺いたり、ふき替えたりする工事全般です。

関連記事:屋根工事業とは?どんな工事の内容が当てはまる?取得に役立つ国家資格も併せて解説!

2|【ケース別】事業内容に応じた必要な許可業種の組み合わせ

事業内容と照らし合わせ、必要な許可業種の組み合わせを確認しましょう。複数の材料を扱うサイディング工事業者様は、複数の業種を取得することになります。

ケース事業内容の概要必要な主要な許可業種理由・補足
ケースA外壁に窯業サイディングのみを施工するタイル・れんが・ブロック工事窯業サイディングの材料による分類です。
ケースB外壁に金属サイディングのみを施工する板金工事金属サイディングの材料による分類です。
ケースC外壁にウッドサイディングのみを施工する大工工事ウッドサイディングの材料による分類です。
ケースD外壁に窯業サイディングを、屋根に金属屋根材を施工するタイル・れんが・ブロック工事 + 屋根工事外壁(材料)と屋根(施工箇所)で業種が分かれる代表的な例です。
ケースE外壁の全ての種類のサイディング(窯業、金属、ウッド)を施工するタイル・れんが・ブロック工事 + 板金工事 + 大工工事全ての材料を網羅する場合、3つの業種が必要です。
ケースF外壁の全ての種類のサイディングを施工し、屋根工事も全て請け負うタイル・れんが・ブロック工事 + 板金工事 + 大工工事 + 屋根工事広い範囲のサイディングに加え、屋根工事も請け負う場合に必要です。

なぜ複数の業種が必要なのか?

建設業法では、無許可で請け負った工事は全て違法となります。例えば、「板金工事」の許可しか持っていない業者が、請負金額500万円以上の「タイル・れんが・ブロック工事」(窯業サイディング)を請け負ってしまうと、建設業法違反となり、罰則や業務停止処分の対象となります。

事業の幅を制限せず、法律を遵守するためにも、請け負う可能性がある材料・箇所に応じた業種を漏れなく取得することが、健全な経営の絶対条件です。

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3|建設業許可を取得するための主要な5つの要件

建設業許可は、工事を適正かつ誠実に履行できる能力があることを証明するため、主に5つの厳しい要件をクリアする必要があります。

1. 経営業務の管理責任者(経管)の配置

建設業の経営を適切に行うための経験と能力を持つ者を配置する必要があります。

  • 要件の概要:
    • 建設業に関して、5年以上の経営者(役員や個人事業主)としての経験があること。
  • 補足: 令和2年10月の改正により、経験者の補佐体制を整えるなど、要件が緩和されるケースもありますが、補佐経験でなるケースは稀です。基本的には5年の経営経験が必要です。

関連記事:難解な要件をクリア!経営業務の管理責任者証明のポイントとケース別対応策

2. 営業所技術者(旧専任技術者)の配置

請け負った工事を適切に施工するための専門知識と技術を持つ者を、営業所ごとに配置する必要があります。重要なのは、前述の取得する業種ごとに営業所技術者を確保しなければならない点です。

  • 要件の概要(いずれかを満たす):
    • 特定の国家資格(例:一級/二級建築士、1級/2級建築施工管理技士など、業種ごとに指定された資格)を持っていること。
    • 指定学科卒業後、実務経験(例:高校・高専卒で5年、大学・専門学校卒で3年)があること。
    • 10年以上の実務経験があること。
  • 多業種取得のメリット: 特定の資格を保有していると、複数の業種(例:「建築施工管理技士」は「大工工事」や「屋根工事」など)の営業所技術者を兼任できるため、効率的に許可を取得することが可能です。

関連記事:資格と実務経験が鍵! 建設業許可の営業所技術者(専任技術者)の要件を分かりやすく解説!

3. 適切な社会保険への加入

建設業の許可要件において、労働者の福利厚生や法令遵守を示す社会保険への加入は、現在、極めて重要な要素です。未加入業者への指導が強化されており、許可申請時も厳しくチェックされます。

  • 要件の概要:(法人の場合)
    • 健康保険(協会けんぽ等)
    • 厚生年金保険
    • 雇用保険
    これらすべての社会保険について、法令に基づき適正に加入していることが必須です。法人または従業員を雇用している個人事業主は、原則として加入義務があります。

関連記事:【建設業許可の要件】適切な社会保険とは?ケース別に徹底解説!

4. 財産的基礎・金銭的信用

事業を継続的に遂行するための資金力があることが求められます。

  • 一般建設業許可の場合:
    • 自己資本(純資産)が500万円以上であること。
    • または、500万円以上の資金調達能力があること(銀行などの残高証明書で証明)。

関連記事:【建設業許可の要件】財産要件の500万円。無い場合は?融資でもいい?行政書士が徹底解説!

5. 欠格要件に該当しないこと

申請者やその役員などが、法律で定められた「欠格要件」(破産者で復権を得ない者、不正行為で許可を取り消された者など)に該当しないことが必要です。

関連記事:【知らなかったでは済まされない】建設業許可の欠格要件とは?代表者・役員が注意すべきポイント

4|許可取得の手続きは非常に煩雑です

上記で解説した通り、建設業許可の取得には、5つの厳しい要件を膨大な書類で証明する必要があります。この証明作業が非常に複雑で、多くの時間と専門知識を要します

例えば、「営業所技術者の10年以上の実務経験」を証明するためには、以下の対応が必要です。

  1. 過去10年間の工事請負契約書、発注書、請求書などの膨大な証拠書類をすべて収集します。
  2. 収集した書類に基づき、どの工事が「大工工事」に該当し、どの工事が「タイル・れんが・ブロック工事」に該当するかを行政庁の判断基準に合わせて正確に分類します。
  3. この証明書類に不備があると、申請が受理されず、すべて最初からやり直しになる可能性もあります。

本業であるサイディング工事の傍ら、これらの膨大な過去書類を整理・分類し、法的な要件を満たす証明書類を作成することは、想像以上に困難です。

5|結論:建設業許可の専門家への依頼を推奨します

皆様が、事業拡大のチャンスを逃さず、スムーズかつ確実に建設業許可を取得するための最善の道は、建設業許可の専門家である行政書士に依頼することです。

専門家に依頼するメリット

  • 正確かつ迅速な申請: 複雑な要件の判断、業種の分類、膨大な書類作成をプロの知識で迅速に行います
  • 時間と労力の節約: 本業に集中しながら、煩雑な手続きを全て代行してもらえます。
  • 確実性の向上: 行政庁との事前相談や法改正への対応も任せられるため、一発で許可を取得できる可能性が格段に高まります

建設業許可は、あなたの事業に大きな信頼と収益機会をもたらす、強力な武器です。スムーズに取得するためにも、まずは信頼できる行政書士に相談することから始めましょう。

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弊所のご紹介

弊所は建設業許可に特化した行政書士事務所です。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元、型枠大工の行政書士が全力でお客様の事業をサポートいたします。

また、弊所の取り組みとして近年現場で導入が進んでいる「建設キャリアアップシステム」や「グリーンサイト」、「buildee」の登録代行も、建設業許可と合わせて行っております。
もちろん、「登録代行だけ」「建設業許可だけ」も大歓迎です。詳しくは、下記サイトをご覧ください。

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