【どの業種をとればいい?】ALC工事を行う場合に必要な建設業許可をケース別に解説!

【どの業種をとればいい?】ALC工事を行う場合に必要な建設業許可をケース別に解説!

これから建設業許可の取得を考えているALC工事を取り扱っている建設業者の皆様、お疲れ様です。

「ALC工事の許可は、一体どの業種を取れば良いのだろう?」

これは、建設業許可の申請を検討するALC工事業者様が必ず直面する、最も重要な疑問の一つです。

結論から申し上げると、ALC工事そのものは、建設業許可の「29業種」の中の単独の業種としては定義されていません。 しかし、その施工実態から、取得すべき専門工事の業種は決まっています。 また、請け負う関連工事によって、追加で必要になる業種が存在します。

この記事では、ALC工事を主軸とする事業者が取るべき建設業許可の業種について、具体的な考えられるケースを交えながら、分かりやすく徹底解説します。少しでも参考にしていただけると幸いです。

1|ALC工事の定義

ALC(軽量気泡コンクリート)パネルを用いた壁や床の施工を指すALC工事は、ブロック状のパネルを躯体に取り付けたり、間仕切りとして積み上げたりする工事です。

この工事が建材の取り付けや築造にあたるという点が、取得すべき建設業許可の業種を決定づける鍵となります。ALCパネルは、軽量でありながら強度、耐火性、断熱性に優れているため、現代の建築に欠かせない重要な建材です。

2|ALC工事を請け負うために必要な建設業許可の業種

ALC工事を請け負う場合に、その施工実態に応じて最も該当し、かつ一般的に取得される業種は、以下の業種です。

タイル・れんが・ブロック工事業(タイル等工事)

  • 定義: レンガ、コンクリートブロック、ALCパネル、タイル等を用いて工作物を築造し、または工作物に貼り付ける工事。
  • ALC工事との関連性: ALCパネルは「コンクリートブロック」などに準じるものとして扱われます。ALCパネルを躯体に取り付けたり、間仕切りとして積み上げたりする工事は、この「タイル・れんが・ブロック工事業」に該当することが、最も一般的です。

【結論】ALC工事の許可は「タイル・れんが・ブロック工事業」で取得しましょう。

ALC工事は、業種の定義上、最も親和性の高い「タイル・れんが・ブロック工事業」で請け負うことが可能です。

3|【ケース別】ALC工事業者が取るべき建設業許可

ALC工事の請負だけでなく、他の関連工事も一括で請け負う場合、兼業として複数の業種許可が必要になります。事業の全体像を見て、必要な業種を選びましょう。

ケース1:ALCパネルの取り付けのみを専門に行う場合

  • 主たる請負工事: ALCパネルの取り付け工事(外壁・間仕切り問わず)。
  • 取得すべき業種: タイル・れんが・ブロック工事業(この業種単独でALC工事の請負はOK)

このケースが、最も一般的なALC工事業者様のモデルです。請負金額が500万円以上になる場合は、必ず「タイル・れんが・ブロック工事業」の取得が必要です。まずはこの業種の取得を目指しましょう。

ケース2:ALC工事に加え、ボードや壁紙の「内装」仕上げ工事も請け負う場合

  • 主たる請負工事: ALCパネルの取り付け(間仕切り壁など)と、石膏ボードの貼り付け、壁紙・クロス貼り、天井仕上等の内装仕上げ工事もセットで請け負う。
  • 取得すべき業種:
    • タイル・れんが・ブロック工事業+内装仕上工事業

ALC間仕切り壁を施工した後、その壁面や、他の部屋の壁・天井の仕上げまでを一括で請け負う場合、2つの業種の許可が必要です。ALC工事をきっかけに内装全般を請け負う事業拡大を考えているなら、「兼業」として同時に2業種の取得を目指すことで、より大きな案件を請け負うことが可能になります。

注意点: ALCパネルの取り付け工事が500万円以上、かつ内装仕上げ工事の部分も500万円以上になる場合、それぞれの専門工事の許可が必要です。どちらか一方でも500万円を超えれば、その業種の許可が必要です。

ケース3:ALC工事だけでなく、窓やサッシの「建具」取り付けも行う場合

  • 主たる請負工事: ALCパネルの取り付けと、建物に使用される窓、ドア、サッシ等の金属製建具の取り付けも請け負う。
  • 取得すべき業種:
    • タイル・れんが・ブロック工事業+建具工事業

ALC壁に開口部を設け、そこにサッシやドア枠を取り付ける工事を、ALC工事とは別に単体工事として請け負う場合、建具工事業の許可が必要です。ALCパネルと窓・サッシの納まりは密接な関係にあるため、兼業として請け負う業者様も多くいます。

建具工事を請け負う機会が多い場合は、事業拡大を見据えて、「兼業」として同時に2業種の取得を目指しましょう。

4|許可が必要になる「請負金額」のライン

建設業許可は、全ての工事に必要となるわけではありません。以下の「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、許可が不要です。

工事の種類許可が不要な工事(軽微な建設工事)
専門工事(ALC工事含む)1件の請負代金の額が500万円未満の工事(税込)
建築一式工事1. 1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事(税込)
2. または、延べ面積が150平方メートル未満の木造建築物

ALC工事は「タイル・れんが・ブロック工事業」という専門工事に該当します。

したがって、1件のALC工事の請負代金が500万円(税込)以上になる場合は、必ずタイル・れんが・ブロック工事業の建設業許可が必要となります。

5|複数業種を取得する際のメリット・デメリット

ALC工事の主たる業種に加え、内装仕上工事や建具工事など、隣接する複数の業種を同時に取得することには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
複数業種の取得請負可能な工事の幅が広がる(内装まで一括請負など)。
・営業の機会が増加し、売上向上に繋がる。
・元請けからの信頼度と提案力が向上する。
営業所技術者の要件が業種ごとに必要になる。
・許可申請の準備書類が増え、手間とコストがかかる。

特に「営業所技術者(旧専任技術者)」は、複数業種を取得する上での最大の関門です。業種ごとに、所定の資格または実務経験を満たした技術者が必要ですが、例えば一級建築士や一級施工管理技士のように、一つの資格で複数の業種の専任技術者になれる資格を活用すれば、このハードルを下げることができます。

6|まとめ:ALC工事の事業拡大に必要な業種とは

ALC工事業者が建設業許可を取得する際の選択肢をまとめます。

求める事業像最優先で取得すべき業種合わせて検討すべき業種
ALC工事専門の下請け業者タイル・れんが・ブロック工事業-
ALC間仕切り後の内装仕上げまで一括で請け負うタイル・れんが・ブロック工事業内装仕上工事業
ALC壁と窓・サッシの取り付けまで一括で請け負うタイル・れんが・ブロック工事業建具工事業

ALC工事は、基本的に「タイル・れんが・ブロック工事業」の許可で請け負うことができます。

事業を拡大し、ALC工事の周辺にある工事(内装、建具など)を一括で請け負うことで、より大きな案件や元請けからの受注機会を増やしたいと考えるのであれば、兼業として隣接する業種の取得も視野に入れて計画を進めるのが、最も賢明な選択と言えるでしょう。

行政書士などの専門家は、事業計画に合わせて最適な業種選定をアドバイスできます。建設業許可の取得に向けて、まずはご自身の事業を詳細に分析してみましょう。不安に感じることがあれば、専門家に相談することをお勧めします。

弊所のご紹介

弊所は建設業許可に特化した行政書士事務所です。
ご相談は無料で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元、型枠大工の行政書士が全力でお客様の事業をサポートいたします。

また、弊所の取り組みとして近年現場で導入が進んでいる「建設キャリアアップシステム」や「グリーンサイト」、「buildee」の登録代行も、建設業許可と合わせて行っております。
もちろん、「登録代行だけ」「建設業許可だけ」も大歓迎です。気になった方は是非、下記サイトをご覧ください。

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